順次質問を許します。
20番嶋田肇議員。
〔議員嶋田肇君登壇〕(拍手)
6 ◯20番(嶋田肇君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)20番、新政会、熱血嶋田肇です。質問に入る前に一言申し上げます。
最近、三戸岡道夫という人が書いた「二宮金次郎の一生」という本を読み、二宮尊徳の考え方に大いに共感しました。著者の三戸岡さんは協和銀行の副頭取をした人で、経営者の立場から、偉人について著書を出版したり、講演を行っています。二宮尊徳は、幼少期に家が没落し、預けられたおじから学問をとめられたにもかかわらず、勉学に励み、倹約という積極策と利殖という消極策を組み合わせて、マイナスの状況をプラスに変える考え方や手法を実践することによって成果を上げ、後に幕府に仕えました。彼が唱えた考え方は、報徳思想と呼ばれ、報徳仕法とも呼ばれる手法により、小田原藩などの財政再建や農村振興を行ったことで知られ、農村再建と自立による生活の安定を求めたとされています。
報徳の思想を形成する3つの柱は、勤労、分度、推譲という言葉であらわされています。勤労は、積小為大という言葉に代表される考え方です。大きな目標に向かって行動を起こすとしても、小さなことから怠らず慎ましく努めなければならないということ、今まく木の実、後の大木ぞという尊徳の有名な言葉が残されています。分度とは、必要なものまで切り詰めるという意味ではない。適量、適度のことです。分度をしっかり定めないままだから困窮してしまうし、暮らし向きも楽にならない。家計でも仕事でも、現状の自分にとってどう生き、どう行うべきかを知るということが大切だという考えです。推譲とは、肉親、知己、郷土、国のため、あらゆる方面において譲る心を持つべきであるという考え。分度をわきまえ、少しでも他者に譲れば周囲も自分も豊かになるものだという教えです。分度を決めるときは、これまでより低い生活水準を求められるため当然苦しくなるので、組織全体に浸透していないと途中で崩れてしまうため一番大変ですが、尊徳が求めていたのは、君主と家臣全体への問題意識の徹底と分度決定の覚悟であり、それができ上がった藩では改革がうまくいったそうです。
今まで行ってきたことを切り詰めるのは大変で反発も起きますが、当初は尊徳の事業を妨害していた小田原藩士が、後に尊徳が小田原藩に呼び戻されたときには熱心に配下として働いたという話もあります。市政の発展には苦しいこともありますが、みんなで知恵を出して乗り切っていければよいと思っています。
それでは質問に入ります。
1番の質問は、市の防災対策と市役所新庁舎の整備についてです。
去る1月21日や2月18日の
総務企画常任委員協議会では、青森市
原子力災害対策計画案や青森市
津波避難計画、そして青森市
津波ハザードマップ、さらには
土砂災害ハザードマップなど、本市の防災対策に関するさまざまな計画や
ハザードマップが示されました。私は、あの3・11、東日本大震災を目の当たりにし、災害時においては、1分1秒でも早く市がアクションすること、市民の安全・安心を守るといったことが、市のまちづくりにおける最も基本的な、そして大事な要素であり、市の使命であるものと考えています。
私は、青森市役所は、昔で言えば、青森市という城下の本丸であり、これら市民の安全・安心を守るための防災対策は、まさにこの本丸である青森市役所が中心となって行われていくべきものと考えています。したがって、市役所の新庁舎を整備するに当たっては、この市民の安全・安心を守るということがまず何よりも優先されなければならないものと考えます。しかし、市議会では、
中心市街地活性化の観点も考慮すべきではないかという意見もあり、意見公聴会が行われ、このことを踏まえて、1月21日に市長から市の考えが示されました。
その会議録の市長コメントを読み上げますと、「先生方のお話を拝聴した私の考え方と今後の対応の方向性といたしましては、早期に市民の安全・安心を確保するための本庁舎の耐震性能はもちろん、市民の利便性の観点、さらには、減少が続く子どもや孫の世代の負担を軽減するためにも、合併特例債を活用することなどの事業費、その財源などを考慮すれば、現在の本庁舎敷地に新庁舎を整備するこれまでの市の考えを変えるということには至りませんでした。したがって、現在の本庁舎敷地に、にぎわいの場になり得る市役所庁舎を整備することが、中心市街地の発展、すなわち青森市全体の発展に資することにつながり、青森市のまちづくり百年の計の思いに沿うものと考えるものであります」というものでした。
そして、その後の常任委員会においても、
中心市街地活性化の観点を含めた新庁舎の整備に関する市の考え方などの説明があり、さらには、継続審査としている市議会4会派からの要望、質問に対し、市からの速やかな回答があったものの、新庁舎の
設計プロポーザルに関する条例案は、いまだに継続審査となっている状況にあります。
そこで質問します。質問のその1は、青森市
津波避難計画には、津波の浸水が想定される区域に隣接する緩衝地帯を
バッファーゾーンとして示しておりますが、設定した理由をお示しください。
その2は、青森市
原子力災害対策計画案には、市の緊急輸送活動について示されており、その資料として、青森県
緊急輸送道路ネットワーク計画図が示されましたが、災害時において、
緊急輸送道路はどのような役割を果たすものかお示しください。
その3は、現在の本庁舎の前を走っている国道4号は、その緊急道路になっているのかお示しください。
その4は、市民の安全・安心を守るという観点を含めて、新庁舎の整備に関する議論の中で、市長が考えるまちづくりとはどのようなことなのかお示しください。
次に、まほろば歴史の
道ネットワーク構想と
みちのく北方漁船博物館の取得と活用について伺います。
本市には、三内丸山遺跡など国や県、市によって指定された文化財や名所など
歴史文化資源がたくさんありますが、点としては知られていても、つながりを持った1つのイメージとして捉えられてこなかったように思います。特に弘前などといった城下町では、県外から訪れた人たちを案内するような核となるものがあり、お城を見てからあそこへ行くという、弘前に来たことを認識できるコースを組み立てやすいのですが、青森市の場合は、残念ながらそのようなものをつくってこなかったと感じています。
私の地元油川は、青森開港前から町が形成されていて、場所によっては山道を歩くので体力が要りますが、丹念に歩くと長い歴史を感じることができる場所が幾つもあります。このたび市は、「青森市
歴史文化基本構想~『まほろば歴史の道』
ネットワーク~」を策定しましたが、内容はどのようなものであるかをお示しください。また、教育委員会は1月22日の定例会で、
公益財団法人みちのく北方漁船博物館財団が所有、運営する
みちのく北方漁船博物館取得を市長へ申し出ることを決めました。市が所有する財産を公開するべきであると考えますが、まほろば歴史の
道ネットワーク構想において、博物館はどのような位置づけになるのかお示しください。また、同施設を歴史文化財についての情報発信の拠点施設として用いるべきと考えますが、活用方法をお示しください。
通告している質問は以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手)
7 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。鹿内市長。
〔市長鹿内博君登壇〕
8 ◯市長(鹿内博君) 嶋田議員の市の防災対策と市役所庁舎の整備についての御質問のうち、庁舎整備に関し私が考えるまちづくりについての御質問と、まほろば歴史の
道ネットワークについての2つの御質問にお答えいたします。
まず、庁舎整備に関しての私が考えるまちづくりについての御質問にお答えいたします。
昨年5月に策定いたしました
庁舎整備基本計画では、新庁舎A棟の目指す姿を「災害に強く 人と環境にやさしい 市民のための 四季あずましい市役所」としたところであります。したがって、まちづくりの観点として、市役所は本市の最も重要な行政機能の使命と役割を持ち、市民の心のよりどころとして、また、本市のシンボル的な公共施設でありますことから、市民の安全・安心を守るという観点、市民の皆様の利便性の観点、あるいは市の財政に関する観点などがまちづくりにおいて極めて重要な要素だと考えております。特に市民の安全・安心を守る観点では、まず何よりも優先されなければならないものであり、市のまちづくりにおける最も基本的かつ大切な要素であり、市の最も重要な使命であると考えております。
このことから、市役所庁舎の整備については、東日本大震災の教訓を踏まえ、本市における大地震発生の可能性やそれに対応する庁舎の耐震性能の現状を考えると、市民の安全・安心を守ることを第一義に、本市の最優先事業に位置づけ、可能な限り早急に対応すべく検討を進めてきたところでございます。
また、まちづくりにはさまざまな視点がありますが、私は、まずは本市全体のまちづくりを第一義に考えております。本市全体のまちづくりにつきましては、市民はもちろん、学識経験者のみならず、
青森商工会議所や青森市町会連合会などの関係団体にも御参画いただき、市議会の議決を経て策定されました「青森市新
総合計画-元気都市あおもり
市民ビジョン-」に基づき推進いたしております。
この新総合計画では、将来都市像を「水と緑と人が共生し 地域の絆で築く 市民主役の元気都市・あおもり」と定め、まちづくりの基本視点として、1つに、「人口減少・
少子高齢化時代に対応した持続可能なまち」、2つとして、「行動力ある
地域コミュニティが息づく協働のまち」、3つとして、「地域資源を活かした個性と活力あるまち」、4つとして、「求心力の高い青函交流圏の中枢として賑わうまち」、5つとして、「人と自然、人と人とが共生するまち」、以上5つの基本視点に立って本市のまちづくりを推進いたしております。
また、都市づくりの基本的な考え方を、人と環境に優しい
コンパクトシティと定め、
中心市街地地区のみならず、新青森駅周辺地区、
操車場跡地地区及び浪岡駅周辺地区も含めた4地区を都市拠点と位置づけ、各地域それぞれが地域特性に応じた機能を分担するバランスのとれたコンパクトなまちづくりを進めるとともに、それぞれの拠点を
交通ネットワークでつなぎ、相互の連携強化を推進いたしております。さらには、暮らしやすい日常生活拠点として、身近な地域で商業、文化、交流などのサービスが享受できる地区形成を進めるとともに、歴史、文化などの地域固有の特性を生かし、主体的なまちづくりを進めることができる環境整備を進めております。市役所庁舎は、このような視点に立ったまちづくりを進めていく中で、まさに中心的、中核的な役割を果たしていかなければならないものと考えております。
一方で、
中心市街地活性化という視点におけるまちづくりについても、市役所本庁舎は、昭和22年から70年近くにわたって現在地にあり、自動車、バスによるアクセス性がすぐれているほか、中心市街地に隣接していることから、
中心市街地活性化基本計画区域内外の官公庁施設などとのつなぎの役割を担い、地区東側の活性化の一翼を担ってきたものと考えております。また、本市の中心市街地は東西方向に長いことから、地区全体の回遊性向上が課題となっております。そこで、地区西側に位置する青森駅周辺が、人のにぎわいの創出の役割を担うのに対し、現本庁舎敷地に人が集まり、人のにぎわいの場になり得る新庁舎を整備することで、引き続き市役所庁舎がつなぎの役割を担い、地区東側の活性化に寄与することにより、本市の中心市街地全体の活性化に貢献できるものと考えております。
次に、まほろば歴史の
道ネットワーク構想についての御質問にお答えいたします。
「青森市
歴史文化基本構想~『まほろば歴史の道』
ネットワーク~」は、本市に点在する国や県、市によって指定された文化財のほか、これらの理解を促進するための展示施設、本市にゆかりのある人物や土地に関する資料など、幅広く文化財として捉え、このような
歴史文化資源を有機的に結びつけながら、歴史に関する学習機会のより一層の充実と歴史をテーマとした誘客促進を図り、
歴史文化資源を総合的に保存、活用することを
目的に、本年2月に策定いたしたものでございます。
本構想では、本市の文化財の適切な保存と有機的な活用や、わかりやすく価値を伝えていくため、有形・無形、指定・無指定を問わず、地域に伝わる文化財等の歴史性や地域性など相互に関連ある一定のまとまりを、
関連文化財群として設定いたしたところであります。本構想では、市内各地に点在している個々の文化財や関連施設を、歴史性や地域性などからグループ化し、1つに、ねぶた祭りと民俗芸能、2つに、縄文遺跡、3つに、中世の里浪岡、4つに、青森の歴史をキーワードに、4つのテーマの
関連文化財群として設定することで、これまでまとまりがない状態であった文化財について、一貫性のあるストーリーを構築し、本市の歴史文化の価値や魅力を見出そうとするものであります。
さらに、4つの
関連文化財群ごとに保存、活用を担う中核的施設を位置づけ、この中核的施設とその他関連施設や構成文化財との有機的な活用、連携を図るとともに、4つの
関連文化財群をそれぞれ有機的に結びつけることにより、市の歴史や文化を物語る文化財全体の多面的な活用につなげようとするもので、この文化財全体の
ネットワークをまほろば歴史の
道ネットワークとして位置づけ、ハード、ソフト両面での取り組みを推進するものであります。
本構想を推進するための保存、活用計画として4つの項目を設定し、それぞれの現状や課題とともに、課題に対する取り組みを掲げております。1つ目の
歴史文化資源の適切な保存管理として、青森市の所蔵する歴史・民俗文化財等の資料について、適切な環境で一括管理する必要がありますことから、
中央市民センターの民俗資料について、
文化財等収蔵庫への保管を検討すること。2つとして、旧栄山小学校を新たな
埋蔵文化財整理作業場として改修し、作業環境の改善を図るとともに、出土遺物の保管場所の確保を図ること。2つに、
市史編さん室資料収集について、
文化財等収蔵庫への保管を検討すること。
2つとして、本市の歴史文化の理解に必要な展示施設の整備として、遺跡の発掘調査で出土した遺物や旧稽古館資料、
市史編さん資料などについて展示する施設が整備されていないことから、1つとして、旧稽古館資料や漁船関係資料、発掘調査で出土した遺物、
市史編さん資料等の展示、活用を図るため、
みちのく北方漁船博物館を取得後に改修し、「(仮称)あおもり 北のまほろば歴史館」として整備すること。2つとして、小牧野史跡を中心に、本市の縄文遺跡から出土した遺物を網羅的に展示するとともに、小牧野遺跡及び縄文文化の価値を伝える拠点施設として、旧野沢小学校を改修し、(仮称)小
牧野遺跡保護センターを整備すること。3つに、これらの整備とあわせて、各既存施設での展示状況を把握し、より効果的な公開が図られるよう展示の配置計画を見直すこと。
3つとして、情報発信の充実と施設館の連携の項目として、これまで取り組んできた地域間の広域的な連携や食を初めとする文化、温泉などの観光資源の充実を図るとともに、本構想を新たな観光資源として加え、魅力を高める必要がありますことから、1つに、多様な情報媒体の活用や歴史の道をテーマとしてモデルコースの充実などを図ること、2つに、主要な文化、観光施設の連携を進めるとともに、
共通チケット制の導入等を検討すること。
次に、4つ目の項目であります公共交通等の利便性向上の促進として、
歴史文化資源のうち、遺跡や建造物などの中には、鉄道や路線バスの利便性がよくない地点や
観光ルートバスの運行コースに該当しない施設もありますことから、1つに、鉄道、路線バス、タクシーなどとの連携強化や、
歴史文化資源を意識した運行コース等の設定についての検討を進めること、2つに、路線バス等の運行コースの設置については、
歴史文化資源や
関連文化財群ごとのコースなど、ニーズを把握しながら検討すること、3つとして、各施設を見学するためのバス等の時刻、タクシーの所要時間、金額等の情報の把握と提供に努めることとしております。
今後の本構想の推進に当たっては、各施設との緊密な連携や、地域住民、文化財保護やガイドを担う民間団体などとの連携のほか、専門的分野における大学などの協力を得ながら取り組みを推進していくこととしています。
このように青森の歴史に関する文化財群においては、
みちのく北方漁船博物館を本市の歴史文化を正しく、かつ、わかりやすく伝えるための中核的施設として位置づけ、「(仮称)あおもり 北のまほろば歴史館」として整備することとしたものであります。
スケジュールについてでありますが、平成26年度に整備し、平成27年度の供用を予定しており、展示、関連経費や改修費を本定例会に提出し、平成26年度予算案に計上しているところであります。
私からの答弁は以上であります。
9 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。総務部長。
〔
総務部長嶋口幸造君登壇〕
10 ◯総務部長(嶋口幸造君) 市の防災対策と市役所庁舎の整備についての御質問のうち、
バッファーゾーン及び
緊急輸送道路にかかわる3点の御質問に順次お答えいたします。
まず、
バッファーゾーンを設定した理由についてでございますが、本年2月に策定した青森市
津波避難計画における津波浸水区域は、平成25年1月に県より示された
津波浸水予測図の
津波浸水想定区域をもとに設定しておりますが、津波による
浸水想定区域につきましては、予測の不確実性を考慮し、
津波浸水想定区域外において隣接するおおむね海抜2.5メートルを基準とした浸水のおそれがある緩衝地帯を
バッファーゾーンとして設定し、
津波浸水想定区域に
バッファーゾーンを含めた地域を避難対象地域としております。あらかじめ市が
バッファーゾーンを設定することにより、市民に対して
津波浸水想定区域外においても浸水のおそれがあることについて注意喚起をし、発災時における主体的な避難行動を促すものであります。
次に、
緊急輸送道路の役割についてお答えいたします。
緊急輸送道路は、阪神・淡路大震災での教訓や
地震防災対策特別措置法の制定を踏まえ、地震発生直後から避難活動や救急救助活動を初め、物資の供給、施設の復旧等の応急対策活動を広域的に実施するための緊急輸送を円滑に行うため、県により高速道路や一般国道及びこれらに連絡する幹線道路が指定されているものであります。
当該緊急輸送道路は、原子力災害に限らず、地震、風水害等全ての災害時において物資の供給の円滑な緊急輸送を実施するため、優先的に通行が確保されることとなります。
次に、国道4号と
緊急輸送道路の関係についてお答えいたします。国道4号は、県内各市町村を連絡する主要な国道であり、通常時のみならず、災害時においても物資の供給の円滑な緊急輸送の実施のため、県により
緊急輸送道路に指定されております。
11 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。教育委員会事務局理事。
〔教育委員会事務局理事工藤壽彦君登壇〕
12 ◯教育委員会事務局理事(工藤壽彦君)
みちのく北方漁船博物館の取得と活用についての御質問のうち、ただいま市長から答弁した以外の御質問にお答えいたします。
みちのく北方漁船博物館の活用につきましては、旧稽古館資料や漁船関係資料、発掘調査で出土した土器、石器等の遺物、市史編さん室、収集資料などを対象に、本市の歴史、文化を正しくかつわかりやすく伝える施設として活用することとしております。また、小・中学校の社会科や総合的な学習の時間も視野に入れ、昔の生活用具、農機具等の使用体験、土器、勾玉づくり等の制作体験や、市所蔵資料の企画展示の開催、さらには市民みずからが企画した展示会の開催も可能とするなど、多くの市民や観光客の皆様が親しめるような活用方法を検討しているところであります。
13 ◯議長(丸野達夫君) 20番嶋田肇議員。
14 ◯20番(嶋田肇君) 市長を初め、総務部長あるいは工藤教育委員会事務局理事の丁寧な御答弁ありがとうございました。
再質問に入る前に、先ほど私が、庁舎問題の発言中に総務企画常任委員会を協議会としゃべったのだけれども、協議会ではなくて常任委員会ですので、ここで訂正しますので、よろしくお願いいたします。申しわけありません。
市庁舎問題で再質問いたしたいと思っています。
先ほどの御答弁では、青森市の
津波ハザードマップに示された
バッファーゾーンも、津波の浸水のおそれがあるとのことでした。津波の浸水のおそれがあるということは、避難を初めとする防災活動上、支障が出る事象も当然発生すると思います。そのような事象が発生するかもしれない
バッファーゾーンの内側に、仮に災害対策本部となる市役所本庁舎があるとした場合、避難を初めとする防災活動等にどのような支障が出てくると考えられるのかお示しください。
そして、現在の本庁舎が緊急輸送路となっている国道4号に面していることの災害時におけるメリットを教えていただければと。
もう一つ、市役所新庁舎の建設に関して、柳町商店街から要望が上がっている旨を耳にしました。それはどのような内容のものか教えていただければと思います。
まほろばの質問に関しては、今ある場所が私としては最高のロケーションではないかと。1つは、海が間近にあって見えるということです。そして、新青森駅にも非常に近い、そして現青森駅も近い。あの近くに森林博物館もある。そういう観点と、地元油川から言わせてもらえば、羽州街道、松前街道、奥州街道、あの街道沿いにあること。ましてや、去年、青森市港湾振興対策議員連盟を立ち上げましたけれども、まさに港をさらに勇気づけられる施設ではないか。それを我々市民が大いに活用して、とにかく海に市民の目を向けさせる、そういう観点からして、あの場所に、先ほど市長初め、工藤教育委員会事務局理事がしゃべったような構想であれば、すごくすばらしいことではないかと。そして、いろんな歴史の道がいっぱいあります。また油川のことをしゃべるんだけれども、要するに、この青森市の発祥の前から形成された町ですので、いろんな歴史や史跡がいっぱいあります。それらをうまく活用していけば、さらに、趣のある拠点に仕上がってくるのではないかと思います。歴史の漁船に関しては、私から、そのような要望を申し上げます。
15 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。総務部長。
16 ◯総務部長(嶋口幸造君) 庁舎整備に関する3点の再質問にお答えいたします。
まず、
バッファーゾーンの内側に災害対策本部となる市役所本庁舎があるとした場合にどういう支障が考えられるのかの御質問にお答えいたします。
災害発生時におきまして、市では、発災後、速やかに市民の生命、身体、財産を守るため、避難、救助、救援、そして応急復旧などの防災活動を行うこととしております。その指揮や指示を行い、防災の司令塔となる市役所本庁舎が津波災害発生時において、現在地はこの
バッファーゾーンの中に入っておりませんが、仮に
バッファーゾーンの内側にあったとした場合、1つには、浸水想定の不確実性によりまして、市役所庁舎自体が浸水被害にあるおそれがあり、その場合、市職員の防災活動が著しく阻害されること。2つには、市庁舎自体が浸水しなくとも、庁舎周辺道路の浸水により災害対応に当たる公用車の身動きがとれなくなる可能性があること。3つには、津波が引き、浸水が解消された後においても、水に浮き流された自動販売機とか木材等の漂流物が庁舎周辺に堆積することが想定され、公用車や緊急車両等の通行に支障がでる可能性があることなどの事情が想定されまして、いずれの場合も、1分1秒を争う災害発生時におきましては、市の初動体制が大きくおくれるものと考えております。
続きまして、現在の本庁舎が国道4号に面していることの災害時におけるメリットについてでございますが、国道4号は
緊急輸送道路として県により指定されており、災害時には優先的に通行が確保されることとなるために、本庁舎が当該道路に面していることにより、災害時における物資の供給の円滑な緊急輸送が可能となるものと考えております。
続きまして、柳町商店街からの要望についてでございますが、去る2月4日、柳町商店街振興組合の理事長を初め、複数の方が市長室を訪れ、青森市新庁舎建設地についての要望が提出されました。その内容を読み上げさせていただきたいと思います。
先般、メディア報道等により新庁舎の建設地についてさまざまな意見が見受けられますが、現在地への建設という市長の決定に大いに賛意を表する次第でありますので、ここにその意を述べさせていただきます。現在地への建設案は、一極集中を避け、中心市街地全体、ひいては青森市の振興に最適であり、とてもふさわしいものであると考察いたします。柳町通りは、青森空港から新中央埠頭までをつなぐシンボルロードとして国より指定を受けており、国際的発展という可能性を秘めております。また、当柳町商店街振興組合が策定したコミュニティマート構想事業においては、ア・ベイビルの開設がなされるなど今後も積極的な事業実施等を行い、青森市の活性化に向けて、中心商店街の一員として大きな役割を果たすべく努力してまいる所存であります。よって、青森市の中心となる現在地への建設を推進されることを切に望むものであります。
要望の内容は以上でございます。
17 ◯議長(丸野達夫君) 20番嶋田肇議員。
18 ◯20番(嶋田肇君) 最後になりましたけれども、庁舎問題で1つ要望として申し上げたいと思っています。壇上でも申し上げたとおりなんだけれども、私は災害時における対応など、市民の安全・安心を守るということが市のまちづくりにおける基本的な要素であり、最も重要なことだと思っています。したがって、市役所の新庁舎を整備するに当たっては、市民の安全・安心を守るということがまずは最優先されなければならないと思います。私は、地区西側に位置する青森駅周辺が、人のにぎわいの創出の役割を担うのに対して、現本庁舎敷地に人が集まって人のにぎわいの場になり得る新庁舎を整備することで、引き続き市役所庁舎がつなぎの役割を担って、地区東側の活性化に寄与することによって、本市の中心市街地全体の活性化に貢献できるものと考える。このことは、先ほど御答弁いただいた柳町商店街からの要望、さらには多くの市民の希望に沿うものだと考えます。
いつ起こるかもしれない、もしかしたらあした来るかもしれない災害です。まさしく、いざ鎌倉というときに備えて、本市の本丸である青森市役所は、一刻も早く現在の場所へ整備することが必要なものであると思います。また、総務企画常任委員会では、いまだに継続審査になっている新庁舎の
設計プロポーザルに関する条例案については、早急に可決しなければならないものと強く思っています。ここで、私から議員各位の皆さん、また市民のために、速やかに決断することを強く強く希望して、終わりたいと思っています。
最後に、まさしく来週に、3回目の3月11日という日がまた来ます。その日はどういう日であったのか、そして、その日が我々に何を求めているのかということをよくよく考えるべきだと思っています。そういうことを申し上げて終わります。ありがとうございました。
19 ◯議長(丸野達夫君) 次に、9番竹山美虎議員。
〔議員竹山美虎君登壇〕(拍手)
20 ◯9番(竹山美虎君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)9番、市民クラブの竹山美虎でございます。通告に従いまして、人口減少・超高齢社会に向けてのまちづくりについて質問いたします。一問一答方式といたしますので、市長並びに理事者の皆様の御誠意ある御答弁をお願いいたします。
私は、前回の定例会で、まちづくりとファシリティーマネジメントについて質問いたしました。人口減少が続き、少子・超高齢社会の到来に伴い、税収の減少と社会保障費の増大が想定される中で、市民サービスを低下させることなく、持続可能なまちづくりを進めていくためにはどうしたらいいのか。中期的展望を含めて、
コンパクトシティ構想と絡めた20年、30年、あるいは50年スパンのまちづくりをどうするのか。老朽化が進む公共施設の維持管理や更新需要にどのように対応していくのかということを真剣に考える。それは今だと確信しているからであります。逆に言うと、今、手をつけなければ、将来に禍根を残すと考えるからであります。このことは、日本全国各自治体共通の課題であります。
自治体が保有するあるいは管理する膨大な資産をいかに活用、維持、管理、統合、処分するかであります。高度成長期に建設された施設などの老朽化に対応して、その更新、建てかえ、もしくは処分に係る財政負担にどう対応していくかであり、その取り組みにおいては自治体が保有する施設の建築年次や構造、面積等の基礎情報に加え、維持管理費や人件費等の運営コスト、施設の利用状況などの各種情報を整理し、自治体全体としての施設の状況を把握するための施設白書、固定資産台帳の整備に取り組んでいかなければなりません。
青森市は現在、ファシリティーマネジメントの推進に当たって、従来、所管部局ごとに保有している施設等の情報を、全庁横断的に一元化したデータベースの整備に取り組んでいますが、これがなかなか思うようにスピーディーには進展していません。まちづくりは、学校や病院、文化スポーツ施設などの箱物、道路、橋、上下水道などの公共設備の維持管理にとどまらず、広い意味でいうと、青森市が行う全ての事業、政策が絡んでまいります。現在進められている新ごみ処理施設整備事業などの大規模プロジェクトはもちろん、住民が安全で安心して暮らすための日常生活拠点における支援策や空き家の活用策、
地域コミュニティのあり方、子ども子育て、医療、介護、福祉の充実や民間事業者との連携、労働・雇用環境の整備、教育の充実と学校の統廃合など、文化芸術、スポーツの推進、環境と廃棄物の対策、利雪、克雪などの雪対策、道路、下水道、市街地の線引き、消防、町会も含めた防災・減災対策、平成26年度予算案だけで考えても、新中央埠頭へ大型客船が接岸するけれども、このことに対するおもてなしや観光対策はどうするのか、公有財産整備事業が計上されているけれども、計画的に売却するもの、集約するものはほかにないのかなど、全てこれはまちづくりにかかわる問題です。
一方、住民にとっての行政を考えてみると、市役所はまさによりどころであり、市の事業は公平公正に基づく最後のとりでであります。人口流出に歯どめをかけ、希望と展望を持てる勇気や喜びを与える魅力あるまちづくりの施策を展開しなければなりません。そういう意味で、本当はまちづくり全般を見据えた議論をしたいわけでありますけれども、先ほど言いましたように、ファシリティーマネジメントはまだ道半ばであり、全体を俯瞰する姿、イメージが浮かんできません。したがって、順次、幾つかの個別の事業について質問いたします。
1点目は、昨日藤原議員も触れておりましたけれども、高齢社会と
コンパクトシティ構想を見据えたバス路線再編事業についてであります。青森市は、新総合計画において、4つの都市拠点、駅などの交通拠点、日常生活拠点を誰もが円滑に移動できる都市内
交通ネットワークの整備を掲げ、バス交通に関する戦略では、骨格線、幹線、支線に3区分し、乗り継ぎ拠点の整備を図りつつ、一部路線の運行を民間バス事業者に委託することとして、社会実験、本格運行を実施してきました。しかし、新総合計画やバス交通戦略の基本的考え方との乖離が生じたことから、ここで一旦立ちどまり検証するということであります。
伺います。バス路線再編の現状と今後の考え方をまずはお示しください。
2点目の質問は、下水道施設の委託化についてであります。青森市行財政改革プラン2011において取り組んでいる下水道施設の委託化について、現在の取り組み状況をお示しください。
3点目は、人口減少対策・青森市移住定住応援事業についてであります。来年度から市で活用を予定している地域おこし協力隊について、他の自治体における隊員の受け入れ状況及び任期終了後の隊員の動向についてお示しください。
4点目の質問は、まほろば歴史の
道ネットワークについてであります。このことについては、「青森市
歴史文化基本構想~『まほろば歴史の道』
ネットワーク~」施設の配置計画についてお伺いしようと思いましたけれども、先ほどの嶋田議員への答弁と重複いたしますので、答弁は省略していただいて結構であります。
5点目は、災害支援協定についてであります。最近、自然災害が猛威を振るっています。突風、竜巻、台風、土砂崩れ、河川の氾濫、ゲリラ豪雨、豪雪など、全国各地で自然災害が頻繁に発生しています。重大な自然災害時には広域での連携、支援が欠かせないと思いますけれども、現在市が締結している自治体及び民間団体との災害時応援協定の内容についてお示しください。
最後の質問は、健康増進対策についてであります。病気を予防し、健康で長生きできる対策が重要だと思いますが、健康増進対策として新たな取り組みをお示しください。
壇上からの質問は以上でございます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
21 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。鹿内市長。
〔市長鹿内博君登壇〕
22 ◯市長(鹿内博君) 竹山議員からの新たな健康増進対策の取り組みについての御質問にお答えいたします。
昨年7月31日に、厚生労働省が公表しました平成22年全国市区町村別生命表において、本市の男性の平均寿命は全国ワースト4位、そして県内最下位の短命市とのショッキングなデータが示されたところでございます。その背景には、生活習慣病による死亡率が全国よりも高いことや、中でも65歳未満のいわゆる早死にが大きな要因の1つとして上げられているところでございます。
このため今年度は、市民が病気を予防し健康で長生きするためには、健康づくりの意識や知識を持つだけではなく、健康づくりを実践する市民をふやしていくことが喫緊の課題であると捉え、まずは新たに地域における健康づくりを推進していく青森健康づくりサポーターの育成に取り組んだところでございます。
サポーターにつきましては、市民から市民へ健康づくりを伝え、地域における健康づくりの推進をサポートしていくボランティアであり、育成研修会はことしの1月末から運動、食生活、心の健康づくりの3つのテーマでの3回にわたって実施したところでございます。第1回目では、「始めよう!プラス10分の健康づくり~生活の中で簡単自主トレ~」をテーマに。第2回目では、カラダは食べ物でできているをテーマとしたバランス食の講話に続き、野菜たっぷり減塩メニューを紹介したところでございます。3回目の講座では、心の健康づくりをテーマとし、後半では、人と人とのつながりの中で健康をつくろうをテーマにグループワークを行ったところであります。2月には72名の皆様が修了したところでありますが、今後健康づくりサポーターが実践を進めていくためにもスキルアップの機会を設けていくとともに、地域を担当する保健師がコーディネーターとなりながら、食生活改善推進員や町会、既存の団体等とも連携を図り、健康づくりサポーターの主体的活動を支援してまいりたいと考えております。
また、今後の取り組みとして、市民一人一人の意識と行動を変えていく人づくりとして、健康づくりのための人材育成の強化が重要と考えておりますことから、健康づくりサポーターを引き続き育成していくほか、市民リーダーの育成にも努めてまいります。市民リーダーは、健康づくりサポーターをさらにステップアップし、より専門的な健康づくりの知識、技術を学び、仲間同士や地域の中で健康づくり学習や講座などを開催し、学びと実践の場づくりを進めながら、地域健康づくり活動を牽引していく役割を担うことを期待いたしているものであります。さらには、これら市民の取り組みを支える地域活動の強化や企業等における健康づくり活動の充実強化も進めてまいります。
市民の生活の場は、家庭、学校、職場、地域とあり、これら全ての場合において、ライフステージに応じた健康づくり活動や、特に働き盛り世代の健康づくりを推進していくための職域の健康づくり、また、地域における運動、スポーツ活動の場づくりや、食育、食生活改善の推進などを含め、市においても全庁的な体制のもと、あらゆる場面から市民の健康づくりに取り組んでいくことといたしております。
これからの取り組みには、行政のみならず、保健、福祉、医療、スポーツの機関、また地域の関係団体、学校、企業、事業者等が共通認識のもと一体となって取り組んでいくことが重要でありますことから、市では、年度内にもその推進母体を立ち上げていくこととしております。また、この推進母体のアドバイザーとして、本県で寿命関係を長く取り上げてまいりました。また造詣の深い弘前大学大学院医学研究科長・医学部長であります中路重之教授の御協力をいただくことといたしております。
これらの取り組みへの支援のほかにも、去る3月3日には、青森市と青森県立保健大学との包括連携協定に関する締結式を行ったところであり、今後、市民の健康増進及び健康教養の向上に向け、一層の強化を図ってまいりたいと考えております。
今後は、先ほど申し上げました当該推進母体の構成メンバー、市を含めて、地域の健康づくりを牽引していく人材の育成を初め、企業等職域における健康づくりの推進、運動やスポーツ、食育など、地域における健康づくりの普及啓発に向け、それぞれが役割を担いながら取り組んでいきたいと考えております。今定例会に提案しております平成26年度当初予算案にそれらの必要経費を計上いたしているところであります。
市民の健康は町の活力であり、元気に安心して暮らせる健康長寿の元気都市あおもりを目指し、鋭意取り組んでまいる所存であります。
本市青森の奨励作物についてお聞きいたします。米からの転換として、浪岡町時代からいろいろなことを転換作物として取り組んできました。減反面積の比較的少ないときには、青果、ニンニクなど、また面積が大きくなってからは、ソバの捨てづくりが主流となりました。その背景には、田畑の転化ができない圃場と農家人口の減少、高齢化。この中で、40年代、50年代に比べて労働力が落ちたことと、つくってもお金にならない。海外からの輸入品に対抗できないということから、捨てづくりのソバが主流になって、今日に来ております。
そういう状況下の中でも、奨励作物の栽培に取り組んでいる農家もあります。本市において、米、リンゴといった作目だけにこだわらない中で、新規就農の機会の創造をする上でも、本市の奨励作物に対しての考え方というものを示していただきたいと思います。
以上であります。(拍手)
100 ◯副議長(秋村光男君) 答弁を求めます。鹿内市長。
〔市長鹿内博君登壇〕
101 ◯市長(鹿内博君) 海老名議員の浪岡地域自治区に関する御質問にお答えいたします。
旧浪岡町と旧青森市との合併に当たっては、両市町の合併前の旧浪岡町の区域に、浪岡地域自治区──以下自治区と申し上げます──が設置され、両市町の合併時の協議によりその設置期間は平成27年3月31日までとなっております。このことから、自治区設置期間終了後には、浪岡区長及び浪岡自治区地域協議会──以下協議会と申し上げますが──の合併特例法による設置根拠は失われ、住所についても必要な手続をとらなければ、自治区の終了に伴い、これまでの住所から自治区名である浪岡が削除されることになります。
このように、自治区の終了は浪岡地区の行政組織、体制などが大きく変わる転換期であるとともに、市民生活にも大きな影響を及ぼすものでありますことから、市としては自治区を延長するか、あるいは終了するかの方向性について検討を進めてまいりましたが、自治区につきましては設置期間を平成33年3月31日までの6年間延長することとしたものであります。
自治区を延長することとした理由は大きく2つあります。まず1つは、住民意思の尊重であります。
協議会からは平成25年7月31日付で自治区の今後についての意見書が提出され、この意見書では、現在の浪岡地区が抱える課題として、1つに、老朽化した浪岡病院及び浪岡中学校の早期改築、2つに、浪岡病院のより一層の充実、3つに、浪岡不燃物埋め立て処分場の適正配置に向けた早急な対応などが示され自治区、協議会及び浪岡区長の設置並びに浪岡事務所の機能維持は今後も必要であること、また協議会としては、平成27年度に終了する浪岡地区における合併特例債を活用した4事業の完成後の効果と課題を確認し検証する責任があることを理由として、5年間の自治区設置期間延長を求めております。
また、青森市浪岡町内会連合会からも、平成25年11月19日付で、浪岡自治区についての要望書が提出されております。この要望書においても、災害時の対応や住民意見を反映させた地域づくりの推進など、浪岡地区住民が抱えるさまざまな課題や不安を払拭するため、自治区設置期間の延長が求められております。
一方、市では自治区の今後のあり方等について幅広く浪岡地区住民の意向を把握する必要があるものと判断し、平成25年11月に浪岡地区住民アンケート調査を、満18歳以上、1万6277人を対象に行ったところであります。回答者は6298人、回答率は38.7%でありました。アンケートに御協力をいただきました皆様方に感謝申し上げたいと思います。
その中で、自治区の今後のあり方の設問への回答結果でありますが、自治区を延長すると回答した方は、今、議員も述べられましたが、2911人、46.2%、自治区を終了すると答えた方は512人、8.1%と、自治区を延長すると回答した方が、自治区を終了すると回答した方を大きく上回ったところでございます。また、男女別、年齢別などの属性で分析した場合も、全ての区分において自治区を延長すると回答した人が、自治区を終了すると回答した人を上回る結果となっております。なお、わからないが1267人、20.1%、どちらとも言えないが1069人、17.0%でありました。市としては、これら協議会からの意見書、青森市浪岡町内会連合会からの要望書及び浪岡地区住民アンケートの結果を、浪岡地区住民の意思として最大限尊重しなければならないものと考えております。
また、自治区を延長することとしたもう一つの理由は、アンケート調査結果を踏まえたまちづくりの推進であります。今回のアンケート調査では、自治区の延長終了についての住民意向調査とともに、合併後の浪岡地区住民の行政サービスに対する満足度や今後のまちづくり地域振興等についての住民意識調査も合わせて行ったところであります。
その結果、1つとして、合併後の浪岡地区についてどのように感じていますかの設問に対し、よくなった、どちらかといえばよくなったを合わせた回答が423人の6.8%、悪くなった、どちらかといえば悪くなった──これは合計になりますが──と答えた方は2739人の43.5%、どちらとも言えないが2331人、37.0%であります。
2つとして、青森市民としての一体感を感じていますかとの設問に対して、感じている、どちらかといえば感じているの合計は433人の6.9%、感じていない、どちらかといえば感じていないは、トータルとして3452人、54.8%、また、どちらとも言えないが1674人、26.6%となっています。
3つとして、合併後の浪岡地区におけるまちづくりの取り組みについて、どれくらい満足していますかの設問に対して、満足、やや満足と回答された方は5.3%、不満、やや不満と回答された方の割合は31.4%、普通と答えた方は30.3%となっております。
4つとして、重要事項について住民意思を確認する方法の設問に対し、住民投票の実施と回答された方の割合は34.7%、市民アンケートの実施と回答された方の割合は19.2%、わからないと答えた方が15.6%と、直接的な確認方法を選択している割合が過半数を超えております。
また、住所表記の設問に対し、現在のまま変えないと回答された方が36.5%、浪岡はそのままで大字、小字をとると回答された方の割合は24.5%、これらを合わせて61.0%の方が浪岡という地名を残すという回答結果を得ております。なお、浪岡をとるという方は29.7%でございました。
市としては、これらまちづくりに関する意向、意識調査の結果を重く受けとめ、改善に向けた取り組みを全庁的に進めていかなければならないものと認識いたしております。特にアンケート結果の中で、浪岡地区住民の皆様より積極的に今後取り組んでほしい項目として多かったのが、雪対策の推進、健康づくりと地域医療の充実、そして雇用の確保等でありますが、これらの各分野の施策、事業の推進については、今後重点的に市として取り組む必要があるものと考えています。そのためには、これまでの浪岡地区の行政組織、体制を維持し、引き続き協議会等からの意見聴取を適時適切に行いながら、各種施策、事業を推進するとともに、浪岡地区のまちづくりに必要な政策、施策については、市の新総合計画に落とし込んだ上で計画的に取り組む必要があるものと考えております。
このようなことから、自治区については市の新総合計画の基本構想の目標年次であります平成32年度──まさに平成33年3月31日となりますが──までの6年間延長することが適当であるとの結論に至ったものであります。
市としては、今後市の方針案について、市議会や協議会の御意見を伺うとともに、パブリックコメントの手続を経た上で、4月中には市の方針を決定し、関係条例案を平成26年第2回定例会に提出したいと考えております。
私からの答弁は以上であります。
102 ◯副議長(秋村光男君) 答弁を求めます。市民病院事務局長。
〔市民病院事務局長中川覚君登壇〕
103 ◯市民病院事務局長(中川覚君) 浪岡病院についての御質問にお答え申し上げます。
浪岡病院は、地域の健康管理、疾病や予防の基幹となる病院として、また生活圏の高齢者医療にも応えられる機能を果たすべく、救急告示病院としても地域医療を担っております。
浪岡病院の今後につきましては、平成17年度の旧浪岡町と旧青森市の合併の際に、計画期間を平成27年度までとして策定した青森浪岡21世紀まちづくりビジョン(市町村建設計画)におきまして、当面現在の機能を維持していくとされているところでありますことから、その後の病院の事業運営につきましては、地域の医療の視点、そして病院経営の視点から見た機能、規模の検証を行うこととし、昨年策定いたしました青森市立浪岡病院経営改善計画2012におきましても、地域住民の同意を得られる浪岡病院のあり方について、まずは庁内においてそのあり方を検討すると記載しているところであります。
これらのことから、平成22年度から浪岡地域の実情等の情報収集に努め、その方向性を探ってまいりましたが、さまざまな視点からの議論が必要と考え、平成24年1月に第1回目となる市長公室、総務部、企画財政部、健康福祉部、浪岡事務所、市民病院事務局の長等で構成する打ち合わせを開催し、その打ち合わせにおきまして、第1段階といたしまして、地域医療と経営面からの改築をも含めた病院の規模、機能の方向性を打ち出し、第2段階として、その方向に沿った具体的な見直し計画の検討をすることを決定したところであり、同年3月には、地域医療と病院経営のそれぞれの観点から、浪岡病院に必要とされる機能、規模についての収支見込みのパターンを作成し、検討したところであります。しかしながら、老朽化が進んでいる浪岡病院の現状を考慮し、建てかえ費用を加えたパターンを改めて作成の上、さらに、次回検討することとしたところであります。
その後、平成24年度は、浪岡病院の経営改善計画策定等を優先したため検討会は開催できず、本年1月に建てかえ費用の試算に改めて平成25年度収支見込みを加味したパターンを作成し直し、今後の医師確保の問題、あるいは自治体病院として地域に求められる役割、そして病院事業の健全化の展望など、多岐にわたって構成メンバーで議論したところであります。
しかしながら、その検討会におきましても、市民病院と合わせた病院事業会計全体での収支シミュレーションや病院規模見直しによる職員の配置などの課題についてもさらに検討を要することとし、それらの課題を整理した上で、次回の検討会を開くこととしたところでございます。
今後は、これらの課題を整理した上で、構成メンバーの日程調整をしながら、今年度中に検討会を開催する予定としております。また、次回の検討会の議論等を踏まえ、新年度はさらに浪岡地区の方々の声をも聞きながら、浪岡病院のあり方の議論を深めてまいりたいと考えております。
104 ◯副議長(秋村光男君) 答弁を求めます。農林水産部長。
〔農林水産部長小野寺晃君登壇〕
105 ◯農林水産部長(小野寺晃君) 農業についての2点の御質問に順次お答えいたします。
まず、新たな米政策に伴う市の産地交付金に関する御質問にお答えいたします。
昨今の農業を取り巻く環境は、農業者の高齢化や担い手不足、農家所得の減少、遊休農地の増加など大変厳しい状況に置かれており、国においては、昨年12月に強い農林水産業と活力ある農山漁村を実現するために、農業、農村全体の所得を今後10年間で倍増させる目標を掲げた、今後の農業政策のグランドデザインとなる農林水産業・地域の活力創造プランを策定しております。このプランでは、農業を足腰の強い産業としていくための政策──産業政策と、農業、農村の有する多面的機能の維持、発揮を図るための政策──地域政策を、車の両輪として推進し、課題解決に向けての取り組みの1つである水田フル活用と米政策の見直しにおいて、飼料用米、麦、大豆などの戦略作物の作付拡大を進めることとしております。
これら転作作物の定着化と産地化を推進するために、地域の裁量で交付単価が設定できる産地交付金を有効活用するため、本市では農業関係団体で構成する青森市水田農業検討会議を昨年12月と本年1月の2回開催し、今後の水田農業のあり方や方向性について意見交換を行ったところ、転作作物については、麦、大豆、ソバ、野菜等の取り組みを維持しつつ、備蓄米、加工用米、飼料用米への取り組みへ誘導すべきであるという要望が出されたところでございます。
このため、産地交付金の設定につきましては、青森市地域農業再生協議会において決定することとなりますが、本市といたしましては、国や県の交付単価に加算することで、麦や大豆、飼料用米、加工用米、備蓄米へ重点的に取り組むこととし、2月25日から昨日3月4日まで市内21カ所において集落説明会を開催するなど農家へ周知してきたところであります。今後とも、国や県、農業団体等と連携しながら経営所得安定対策による支援を通じて、農家経営の安定に努めてまいります。
次に、本市の転作奨励作物に関する御質問にお答えいたします。
本市では、将来にわたり持続可能な水田農業の確立を図るため、転作作物による産地づくりや地域水田農業を主体的に担う担い手の育成等を定めた青森市地域水田農業ビジョンに基づき、市独自に指定した品目に助成する地域振興作物等産地化推進事業を実施しております。この指定品目は、野菜価格安定対策の適用を受けているトマト、ピーマン、ネギや地域でのブランド化を図っている浪岡地区のバサラコーン、さらには、転作組合等が栽培する麦、ソバの合計6品目を奨励してきたところであり、引き続きこれらの品目の産地化に取り組んでまいります。
106 ◯副議長(秋村光男君) 3番海老名鉄芳議員。
107 ◯3番(海老名鉄芳君) 答弁大変ありがとうございました。一問一答で通告しておりますので、1つずついきたいと思っております。下のほうから簡単にいきたいと思っております。
今回、農林水産省のほうでは平成26年度の予算に関しては、私どもが国の予算を議論してもしようがないんですけれども、青森市の農業政策というのは市単独事業が非常に狭い中で、やはり国の制度というものがイコール青森市の農業政策、私はそういうふうに感じているんですけれども、そういう中で、今回の一連の中で産地交付金について説明願ったんですけれども、平成26年度の取り組みに関しましても、構造改革を進め、新しい農政の転換を図るために、所得安定対策を見直すとともに、担い手の農地の集積どうのこうのから始まって終わっているわけなんですけれども、ちなみに、平成25年度を振り返ってみたいと思うんです。
平成24年産の米というのは非常に値段が高くて、私も近年では非常に収入がふえまして、去年はびっくりするくらい税金を取られまして、あっほあっほとなったんですけれども、そういう背景が去年からまたがらりと変わった。何で平成24年、平成23年産の米の値段が高くなったかといえば、やはり震災だったんです。地震で、個々の家で備蓄米をふやした中で、米の需給バランスがほんの少し狂った。そういう中で平成24年産は値段が高くて、米が余ったということで、平成25年産はその影響で値段が下がったということで、去年一律に大体3000円ぐらい下がったんです。
青森市全体ですと、私、米の数量も去年は伸びませんで、約200万円ぐらい簡単にぱあんと下がったんですけれども、青森市全体としては、推計になってしまうと思うんですが、どのぐらい金額的に下がったと考えられているのか、それをお聞きしたいと思います。
108 ◯副議長(秋村光男君) 答弁を求めます。農林水産部長。
109 ◯農林水産部長(小野寺晃君) 農業についての再度の御質問にお答えいたします。
米の生産価格が昨年より下がっている、本市ではどの程度概算で減少するのかということでございました。本市の米の収穫量でございますけれども、国の農林水産統計によりますと、平成24年産米は2万2800トン、平成25年産は2万3900トンとなっております。議員お尋ねの米の青森市での生産額については、これは市町村別では公表されていないものですから、農協の仮渡し金で試算しますと、つがるロマン1俵当たり、平成24年産では1万2500円、平成25年産は1万800円でございますので、これを掛け算しますと、単純ですけれども、平成24年産は48億円、平成25年産は43億円ということで、差し引き5億円の減少となります。これはあくまで農協の仮渡し金で試算した場合でございます。なお、この仮渡し金とは、米の販売を農協に委託した農家に対して、早い時期に支払われる代金で、価格が確定した段階で追加的に精算払いが行われる、いわば内金的な性格のものでございます。
以上でございます。
110 ◯副議長(秋村光男君) 3番海老名鉄芳議員。
111 ◯3番(海老名鉄芳君) 答弁ありがとうございました。今の農林水産部長がしゃべった金額というのは、農協でその後追加払いしたんですよね。ですから、現実にはさらに1000円高くなっているんです。
私がごくばっさりと推定してみますと、おととしに比べて去年は、私は9億円いっていないと思うんですけれども、9億円近く米の値段が下がったということで農家は影響を受けているんです。これは大変な数字です。青森市の方々は大変裕福な方ばかりが多くて、生活保護も少ないし、議員報酬も60万、70万円でないとやれないという人ばかりいるんですけれども、私どもの地区は非常に貧しい地区で、きのう人口減少のお話をしておりました議員がいたんですけれども、その中で企画財政部長も、奥内、さらに後潟、浪岡の地区の人口減少というのは甚だしいものだという説明をしていたんですけれども、現実に私どものほうも、旧南黒の中では、かの有名な大鰐に次いで人口減少がやはり激しいんです。国勢調査の中で。そういう状況の中で、これは9億円に近いお金というのは浪岡だけではなくて青森市全体の話です。ですから、そのうちの3分の1が浪岡地区の田んぼだとしますと、3億円近いものが影響を受けたと。
平成26年度に関して言えば、今回農林水産省の予算というのは、ちょっと私は数字が余り得意ではなくて市長に笑われたんですけれども、2兆3267億円という数字があるんですけれども、この中で経営所得安定対策の見直しと日本型直接支払制度の創設というのは、新たに若干見直しをかけたわけですけれども、その中で、米の値段が下がったら何ぼか面倒を見てあげますよという制度があるんです。それが米価変動補填交付金という、これは平成25年産米で今年度からこれは廃止になりましたけれども、制度の名前を変えまして実質継続するんです。これを継続する上で、こういう附帯条項がついているんです。平成26年産米から廃止、平成26年度予算額は現在の米価が前年より低いことを踏まえて増額いたしますという附帯説明があるんです。
ということは、84億円のものが200億円に増額されたわけですけれども、米の値段が頭から下がるんだということの中で、こういう制度を設けて、設けるというよりも継続しまして、予算的に増額して実質継続していくわけですけれども、私は、今の制度を、予算的に増額したとしましても、今の3年間の加重平均からいけば、この補助金制度は発動にならないと思っております。その中で、仮に今、去年、おととしの米が非常にまだ余って、米屋では大変な混乱が起きている状況とのお話を私も聞いておりまして、今年度、平成26年産についてはさらに大変な状況が起きるのではないかと言われております。去年、仮に9億円、多分行っていないはずなんですけれども、仮に9億円、来年度からは米の直接支払い交付金が半額になるわけです。
これは農林水産部長にお聞きしたいんですけれども、これが半額になったら、青森市ではどれぐらい減額になる予定ですか。ちょっとお聞きします。
112 ◯副議長(秋村光男君) 答弁を求めます。農林水産部長。
113 ◯農林水産部長(小野寺晃君) 直接支払い交付金だけでは、平成25年度が2億8000万円ですので、半額であれば、平成26年度は1億4000万円程度になるものと考えております。
114 ◯副議長(秋村光男君) 3番海老名鉄芳議員。
115 ◯3番(海老名鉄芳君) 今答弁があったように、これも1億4000万円減るわけです。これプラスアルファ、米の値段が下がると。私は、多分来年は、ことしとほぼ同じぐらい下がるんじゃないかと思っています。ちなみに、前回私が選挙をやった平成22年も大きく下がりまして、米の値段が1俵8400円になってしまったんです。これが当面は一番底だったんですけれども、私はことしもそういう状況というのは十二分に考えられると思っております。それに今お話があった直接支払い交付金が少なくなる。そうしますと、少なくとも米の分野だけでも青森市の実質的な収入というのは10億円、今年度よりもさらに減るという状況が見込まれている中で、最近、新聞紙上でも米の転換についていろいろと特集記事が載っていまして、地域の不安というのは非常に膨らんでいるわけであります。
私が金額のお話をしたのはなぜかと申しますと、私ども浪岡町では1億円の作目をつくるということで、米、リンゴ以外でいろいろ取り組んできて、うちの区長も産業課長としていろいろ努力していた一人なんですけれども、それでも育たない。1億円の作目を育てるというのは非常に大変なことで、そういう中で地域全体として、ことし、来年、2年トータルしたら約20億円ぐらい農業現場でお金がどこへ行ったのか見えなくなってしまうような状況になってしまうんです。
そうしますと、ことしは私ども浪岡地区、ここ3年ばかりはリンゴのほうが何とか再生産に近い状況が続いておりまして、一部の大変さは消えて、やはり何ぼか顔がほっとしている状況もあるんですけれども、もう一つ、一緒に複合経営としてやってきている米の状況というのが大変な状況だと私は思うんです。
何をもう一つ言いたいのかと言えば、そういう中で地域の縮小を私は非常に心配しているんですけれども、きのう企画財政部長もそういうお話をしていたんですけれども、そういうのがさらに加速しかねないと。うちのほうでは、畑にフクロウがいたり、何だかんだして非常にあれなんですけれども、フクロウを見ているだけでは飯が食えないと思っております。
そういう中で、やはり若い方々をきっちりやるためには、国の就農支援制度を最大限活用すべきだと思うんです。いろんな方にこういう制度があるということをもっと徹底して知らしめて、ともかくこれは全額国のお金ですから、これを使っていろんな奨励作物をつくらせてみる。それでも軌道に乗るのはなかなか難しいと思うんですけれども。
そこで、いろんな奨励作物を先ほど説明させていただいたんですけれども、果実もその1つになると私は思うんですけれども、いろんなものをつくっていく上で一番かなめになるのは、最初はお金ですよね。就農支援、さらに資金融資。もう一つのかなめは、やはり技術支援です。新しいものに取り組む、やったことがない人がやる。これをやるには徹底した技術支援をどうするかということを考えなければなりません。
もう一つは、販売支援をどうしていくのか。聞き取りの折、雑穀について、五穀というのは、ヒエとか、アワ、ソバ、キビ、麦のことを言うんですが、それらを合わせて雑穀と言うんです。この雑穀等も割と手間がかからないで、耕作放棄をやっている中では、いい方法の1つの選択肢ではないかと思っています。
ただ、アップルヒルでの販売とか道の駅での販売、そういうぐらいの販売支援の考え方では、市長、話にならないんです。東京、仙台、首都圏、最低こういうところの米屋とかスーパー等につくったものをきっちり売っていく、そういう販売支援をやっていくべきだと私は思うんです。最近リンゴなんかでも、例えば私、海老名鉄芳がつくっているリンゴは大変おいしいと。ですから、あるスーパーの一定期間だけは私のリンゴを特別枠で売るというのを、最近スーパー等もやっているんです。ですから、そういうのも販売支援の1つだとは思うんですけれども、新しい方に地域に来ていただいて、多様な農業というものを展開する中で、さらにやっていくためには、就農支援、技術的な指導、さらに販売支援、これをきちっとやっていただくということが最低条件になると思っております。
そういうことに対して、先般、私は東広島市に教育で視察に行ってきましたら、教育に関して別枠で1億円ぐらい市の予算が、国とか県の中ではなくて、市独自で1億円以上持ち出しをしているんです。市長、そのぐらい農林部門に関して腹をくくってやらないと、私は、地域は変わり得ないと思うんですけれども、そういうことについて、もし意見がありましたらお願いいたします。なければ次へ行きますので。
ないようですので、これは消極的過ぎてだめですね。
次は、自治区について。
自治区について言えば、私は浪岡の庁舎の周辺整備、花岡荘とかを今、合併特例債事業をがちゃがちゃやっていまして、もう少し青森市に対しての評価は高いものが出るのかなと思っておりましたけれども、現実的にはなかなかやはり──ということは、何がその原因になっているのかなと思いますと、私もいろいろ考えてみたんですけれども、合併特例債事業でつくったりんごセンターというのがありますよね。あそこは余り機能していないんです。農協も青森の農協と合併しまして、青森の農協というのは、リンゴ、何、リンゴなんてといった感じで、浪岡のリンゴに背を向けて、市況対策費というのを、リンゴの農薬を買えばこういうことをやっているんです。これが商慣行という、私ども1袋3000円の農薬を買えば、大体15%ぐらい市況対策費というのを戻しておく制度がある。これが商慣行なんです。ところが、青森の農協ではそういう制度をやっていないものですから、これは津軽では常識なんです。(発言する者あり)いやいや、津軽では常識なの。ところが、青森ではそういうことはないものだから、青森の農協はじぇんこ払わないわけだ。渋って渋ってやっと半分ぐらい農協は出すわけ。へば、浪岡の農協のリンゴの生産者というのはあめでまるわけだ。そういうことがありまして、このりんごセンターというのは全然今機能していない。もう一つは、みんな年をとってしまって、畑がばんばん少なくなっている。
またもう一つ、「あぴねす」というのがあるんですけれども、今青森の方が基本になって管理しているんですけれども、とても人口が2万人の浪岡にはふさわしくないような立派な建物があるんですけれども、そこの辺に行ってみれば、そこにいないで近くの公園でたむろしている人が逆に多いんです。それだけ行きづらいというか、利用しにくい交流センターなのかなと。その脇に1億円ぐらいでつくった何だかわからない小屋みたいなものがあるんですけれども、それも全然無用の施設だと。こういうことが、今回の一連の合併に対して、もう一つ、浪岡地区で青森市のサービスというのは思っていたより、考えていたより全然よくなかったと感じる要因ではないかと思っています。
そういう意味では、今回浪岡自治区地域協議会で、この先、庁舎周辺、花岡荘にしましてもそうなんですけれども、一連の公園にしてもそうなんですけれども、どうやってきちっと活用していくのかということをする上でも、今回市長が6年間延長するという決断をしたことについては、高く評価をしたいと思っております。
ただ、その中で、私は青森市と浪岡のこれからということを考えた中で、浪岡の方々も青森市に対して一体感を持っていない方が非常に多くて、私もその一人なんですけれども、青森市民の方も、当然私は同じ傾向だと思うんです。これを解消するためには、やはり相互にいろいろ交流事業を最近やって、青森の方々も婦人会の演芸会なんかに来ていただいて、一緒に踊っていただいたり、参加していただいたり、ねぶたの折も来ていただいたり、そういうことをやっているんですけれども、やはりそれだけではなかなか進まないんじゃないかと思うんです。ですから、さらに両地域の役所が交流するんじゃなくて、市民同士が交流できる事業はどういうものがあるのかということをもう少し、渋谷農園がアップルヒルで野菜を売っているのもよくないんですよね。これはちょっと言って、そういうことですので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
次に行きたいと思います。病院についてお話をさせていただきたいと思います。
先ほど来、いろんな形で入院患者等からいろいろお話をさせていただきました。聞き取りの折、私どもの地区、平成23年度は厳しかったんですけれども、平成24年度は努力をしたことによって赤字はかなり縮小したんですけれども、平成25年度は大変ひどい状況になっている。決算見込みでは、青森市民病院は1億7000万円よりないのに、浪岡病院は1億4000万円も見込まれている。私もこれを聞きまして大変な状況だなと思いました。
その中で、お医者さんの確保ができなくて、外科が今、医師の派遣を受けてやっている。またベッドの稼働数も非常に低い、そういう状況の中で1億4000万円の赤字の決算見込みであるというお話を聞いたわけです。そういう中で、今回合併して9年、私ども浪岡町で、合併しなければ浪岡病院にちゃんと手をかけられたかと言えば、なかなかこれもまた、現実的に今のままに近かったのかなと思っております。
ただ、そういう中で、この9年間、医療器具とか医療技術が日進月歩の中で、どういう形でこの9年間過ごしてきたのかということを若干お知らせ願えればと思っております。
116 ◯副議長(秋村光男君) 答弁を求めます。市民病院事務局長。
117 ◯市民病院事務局長(中川覚君) 医療機器の購入状況ということで、9年間というお話でございますけれども、9年間の資料を持ち合わせおりませんけれども、これまでも毎年2000万円程度の予算を計上いたしまして、予算の枠の中で医療機器を購入してきていますし、今後につきましても、先ほど壇上で答弁いたしました経営改善計画2012の中でも、継続して医療機器を購入していくという計画を立てております。
ちなみに、平成25年度につきましては、心電計、血液ガス分析装置チケットプリンター、高圧蒸気滅菌装置、超音波洗浄装置などを購入しておりますし、昨年度につきましては、血液中の血中成分などを測定いたします多項目自動血球分析装置や回診用のX線撮影装置、そして平成23年度におきましても、生化学自動分析装置やファイバースコープの光源となります高機能光源装置などを購入しておりまして、今後も医療の質の維持向上に努めてまいりたいと考えております。
118 ◯副議長(秋村光男君) 3番海老名鉄芳議員。
119 ◯3番(海老名鉄芳君) 若干聞き取りの折、勤めていた方からもお聞きしておりまして、それなりに医療器具の更新については、最低限の範囲の中では、患者さんに、お医者さんに迷惑をかけない範囲ではやってきたというお話は聞いております。ただ、私も4年前、ちょうど今ごろだったんですけれども、病院に入ったことがありまして、5週間いたのか。精神科とはちょっと違うんですけれども。入院していて一患者として病院を見る中では、お医者さんに信頼が置ける、これが一番です。2番目には、看護師さんの方々がいろんな形できっちりアフターケアをしてくれる。3番目としましては、病院そのものもがそれなりにきれいでなければならないと私は思っております。青森市民病院というのは、私は入院病棟のほうには行ったことがないからわからないんですけれども、私ども浪岡病院は非常にトイレの数が少なくて、さらに汚くて、ボイラーもなかなかで、夏はクーラーがないんです。看護婦さんが余りにも暑くなったらどうするかと、昔、家のほうに氷をつくっているところがありまして、病室にたらいを持ってきて氷を部屋の脇に置いて何ぼか涼しさを演出したり、そういうのが私どもの病院で、これは浪岡の時代の浪岡の方々がそれをきちっとやらなかったのが一番悪いなと思っているんですけれども、そういうのが今の浪岡病院の現状で、このことが1つは運営状況を悪くもしているし、さらにお医者さんのやる気をそいでいるのではないかと思っております。
時間も時間になりましたので、年をとった方は、私も大分年をとったんですけれども、救急医療がやはり地域の1つの安心、必要事項でありまして、今このことが保たれているのか。外科医がいないということで、さらに、私ども浪岡というのは青森市なんですけれども、弘前の医療圏が近いわけです。こういう地域的な流れの中で、私どもの救急医療の考え方を若干お知らせ願いたいと思っております。
120 ◯副議長(秋村光男君) 答弁を求めます。市民病院事務局長。
121 ◯市民病院事務局長(中川覚君) 再度の御質問、救急医療に関してということで、黒石方面にも流れているという御質問もございました。
確かに弘前、黒石方面への救急搬送については、その実情は把握しておりますし、また、実際に内科の先生もおりまして、浪岡病院に救急搬送もしている事実、そして県病、市民病院などへの青森地区への救急搬送についても、それ以上の現状と認識しております。
医療圏ということですけれども、まず、現在の我が国の医療保険につきましては、国民皆保険制度ということで、一人一人が各医療保険に加入して、誰もが安心して医療機関に受診できるというふうに、世界にも誇れると言われています。この制度のもとでは、医療保険証を持っていれば、どの市町村の医療機関でも受診できるもので、その方の病状や、あるいはその方の職場の所在地などで、さまざまな個人の都合で居住地以外でも受診しているものと考えております。したがいまして、自力で来院する救急の場合もございまして、それについても、市域以外での受診は十分に考えられるところでございます。
一方、青森県では、青森地域保険医療圏を初め、県内6つの2次保険医療圏を単位といたしまして、自治体病院の役割や機能を明確にして、効率的で適切な医療が提供できるような体制づくりを進めているところでもございます。したがいまして、青森市民病院、浪岡病院が属する青森地域保険医療圏におきましても、誰もが安心して医療の提供を受けられるように、効率的かつ効果的な地域としての医療の確保に努めてまいりたいと考えております。
122 ◯副議長(秋村光男君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時43分休憩
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午後3時20分開議
123 ◯議長(丸野達夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
あらかじめ会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
次に、14番渡部伸広議員。
124 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
〔議員渡部伸広君登壇〕(拍手)
125 ◯14番(渡部伸広君) 14番、公明党の渡部伸広でございます。通告の順に質問してまいります。
第1の質問は、福祉行政のうち、地域包括ケアシステムについてお伺いいたします。
厚生労働省によると、65歳以上の高齢者数は2025年には3657万人、2042年には3878万人に達すると予測されております。高齢者だけの世帯も増加し、2025年には、65歳以上の単独世帯と夫婦のみの世帯を合わせると全体の25.7%を占めるとされております。こうした世帯は社会から孤立しがちなため、認知症など病気の早期発見、ケアのおくれも懸念されています。
そこで、政府・与党は、団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに、医療、介護、予防、住まい、配食などの生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を急いでいます。地域包括的システムの狙いは主に、在宅の要介護高齢者が24時間365日を通して、中学校区を想定した30分以内に駆けつけられる日常生活圏域で、介護、医療、生活支援などの各種サービスを受けることができるようにすることであり、高齢者の生活を地域で支えるためのシステムであります。
多くの人が在宅死を望みながら病院で亡くなる実態から、地域包括ケアシステム構築のために何が必要なのでしょうか。
1つに、住宅が提供されることを基本とした上で、高齢者の生活上の安全・安心、健康を確保すること。2つに、独居や夫婦2人暮らしの高齢者世帯、あるいは認知症の方がいる世帯に対する緊急通報システム、見回り、配食などの介護保険の給付対象ではないサービス。3つに、介護保険サービス。4つに、予防サービス。5つに、在宅の生活の質を確保する上で必要不可欠な医療保険サービスが挙げられます。
これが正解というものではありませんが、さまざまな自治体で参考となる取り組みをしております。例えば新潟県長岡市では、長岡駅を中心とする地域に13のサポートセンターを設置し、センターごとに地域密着型の介護老人福祉施設や小規模多機能型居宅介護、地域交流スペースなど、複数のサービスを組み合わせて一体的に提供しています。また、千葉県柏市は、在宅医療を推進するため、行政が事務局となり、医師会を初め、医療、介護、看護の関係団体が顔の見える関係で話し合う体制を構築しています。
以上を申し述べ、質問いたします。
国では、地域包括ケアシステムの構築を掲げておりますが、実現に当たってはさまざまな課題があると思われます。特に地域での見守りや買い物支援、認知症の権利擁護などについては、地域ニーズが高く、医療や介護事業所以外の地域力の活用が必要とされておりますが、本市における現在の取り組みと今後の対策についてお示しください。
第2の質問は、財政についてのうち、初めに、来年度予算と財政運営についてお伺いいたします。
過日、衆議院で可決された2014年度予算は、国の基本的な予算規模を示す一般会計の総額が2013年度当初と比べて3.5%ふえ、95兆8823億円と過去最大となりました。12月上旬に決定した2013年度補正予算案と合わせた歳出規模は101兆円を超すこととなり、2013年度補正予算と2014年度予算を一体的に切れ目なく執行し、景気回復を地方や中小企業、家計に波及させ、消費増税による景気腰折れの回避に全力を挙げようとする強い決意がうかがえます。
税収は16%増の約50兆円と7年ぶりの高水準。消費増税により約4.5兆円押し上げられ、景気の改善により所得税収もアップすることを見込んでおります。このため、新規国債発行額は3.7兆円減の約41兆円に抑えられ、歳入全体に占める借金の割合を示す公債依存度は46.3%から43.0%程度に下がることになります。また、基礎的財政収支の赤字額も約5兆円改善されて18兆円になり、4兆円を上回る収支改善を図るとした政府の財政健全化目標を上回り、経済再生、デフレ脱却をあわせて目指す予算となっております。
自治体財政の特徴を示す指数が幾つかありますが、その中でも経常収支比率は財政構造の弾力性、地方債に関する指数は元利償還返済の程度であります。経常収支比率は、市町村75%、都道府県80%程度が妥当であるとされてきましたが、本市の場合、平成23年度の決算状況を見ると、経常収支比率が88.2%と過去5年間の中で一番低い数値になっていますが、まだ弾力性がないと言えます。また、地方債の返済については、実質公債費率18%を超えないようにすべきところですが、本市は16.0%となっております。社会保障関係費についても、これから増加傾向になると思われます。
以上申し上げ、質問いたします。
質問その1、1月16日、日銀は地域経済報告を発表し、全ての地域に回復という表現を盛り込んだが、地域によってばらつきがあり、中小企業の厳しさは続いています。地域経済の現状認識をお示しください。
質問その2、少子・高齢化社会の中で、地域経済においては社会保障関係費が増加していきますが、本市の中長期財政運営にどのような影響を与えるのかお示しください。
質問その3、限られた財源の中で、多様なニーズに対応していくためには、事業の優先度、緊急度などを精査し、事業の見直しと選択、重点化が必要と考えるが、その取り組みをお示しください。
質問その4、公共施設の老朽化、維持管理に伴う計画的な投資的経費の確保の考え方についてお示しください。
次に、消費税と地方交付税についてお伺いいたします。
現在の税率5%の消費税は、4%の国税である消費税と1%分の地方税である地方消費税に分かれます。国の消費税収増のうち1.18%分は地方交付税として地方に回るため、地方消費税と合わせた2.18%が地方分と呼ばれます。地方消費税の取り分は、小売販売額などによって決まり、税収が大都市に偏りやすい面があります。社会保障と税の一体改革では、消費税率5%を上げるうち、地方消費税を1.2%分、地方交付税分を0.34%分ふやすことにしています。地方交付税による調整の影響を受けない東京都などの豊かな自治体は、自由に使えるお金がふえることになります。
そこで、政府・与党は、昨年11月28日、都市と地方の税収格差を是正するためと称して、地方税である法人住民税の一部を国税にして、地方交付税の税源に回す方針を固めました。これは、総務省の地方財政審議会の地方法人課税のあり方等に関する検討会が、平成20年から抜本的税制改正、つまり消費税引き上げ時までの暫定措置として実施された地方法人特別税の継続を求めるとともに、新たに法人住民税、法人割を一部国税化して、地方交付税の原資とするよう提言したことに基づくものであります。
これは消費税率の引き上げが地方財政に複雑な影響を及ぼし、自治体間の財政力格差がさらに拡大する可能性が高いからであります。現在、消費税率5%のうち1%分は地方消費税に充てられています。4月に消費税率が8%になりますと、地方消費税分は1.7%分が充てられることになります。この結果、当然、自治体の税収はふえるわけでありますが、必要な公共サービスを賄う税収が足りずに、国から地方交付税の交付金を受けている自治体の場合は、税収がふえる分だけ地方交付税の交付金額が減るので、収入全体で見ると地方消費税による増収効果が消えてしまいます。
これに対して、もともと税収が多くて地方交付税の交付金を受ける必要がない東京都などでは、地方消費税の増収がそのまま収入全体をふやすことができるわけであります。つまり、地域間の偏在度が小さな地方消費税を充実することによって、地域間の税収の偏在が改善されるかに見えても、実際には地方交付税の交付金を受けている自治体と受けていない自治体の間で、むしろ財政力格差が拡大してしまうのであります。ここを法人課税の見直しで格差を埋める必要があるというものであります。
これに対して、東京都知事や愛知県知事らが反対を表明いたしました。大村愛知県知事は、総務省が検討している地方法人課税の国税化について、受益と負担という税負担の原則に反し、地方分権改革の流れに逆行、企業誘致などに力を入れてきた地方自治体のインセンティブを損なうとして、反対する考えを示しました。
また、地方交付税の別枠加算の減額も決まりました。別枠加算とは、2009年度から導入された追加支援であり、国が借金して地方に渡しています。2008年9月のリーマンショック後、企業の業績が落ち込み、地方財政は大きく悪化しました。このため財源不足を埋める緊急措置として、毎年度1兆円規模で上乗せしてきましたが、最近の景気回復や4月の消費増税で、地方の税収もふえる見通しで減額することになりました。財務省は廃止を求めていましたが、総務省は地方税収がまだ回復していないと存続を主張し、廃止による急激な影響を避けるため減額で決着しましたが、2015年度以降の扱いは、地方税収などを踏まえ検討することになりました。
つまり、現状は、その1として、平成26年度のスタートとともに消費税は8%に上がる。地方消費税交付金は平成25年度予算で約34億2200万円であります。その2として、消費税8%のうち地方消費税分は1.7%、残り6.3%のうち1.4%は地方交付税分として用意されますが、地方交付税の別枠加算の減額、地方法人税の偏在是正も税制改正で決まりました。これらにより、これから地方交付税減額が今後も続くとするなら、より自立した財政運営が求められ、自立した成長戦略とそのための政策展開が必要になります。
以上を申し上げて質問いたします。
質問その1、平成26年度の税制改正の大きな動きは言うまでもなく4月1日からの消費税8%への増税であります。このことにより、本市経済にどのような影響があるのか見解をお示しください。
質問その2、消費税引き上げによる増収分は全て社会保障の充実、安定化に向けることになっておりますが、本市の状況をお示しください。
第3の質問は、市長の政治姿勢のうち、公共施設マネジメント関連についてお伺いいたします。平成25年第4回定例会でも質問いたしましたが、その後の進捗状況をお示しください。
以上、私の壇上からの一般質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
126 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。鹿内市長。
〔市長鹿内博君登壇〕
127 ◯市長(鹿内博君) 渡部議員のファシリティーマネジメントに関する御質問にお答えいたします。
本市は、青森市行財政改革プラン2011において、効果的、効率的な行政経営のための取り組みとして、行政サービスの維持、向上に努めながらも、可能な限り少ない経費で最適な施設等の経営管理を行うファシリティーマネジメントの推進を実施項目に位置づけ、1つに、維持管理部門の集約化とファシリティーマネジメントの推進、2つに、コミュニティ施設の配置の見直しを行うこととしております。このうち、コミュニティ施設の配置の見直しについては、市としての基本的な考え方、方向性等を示す青森市コミュニティ施設配置見直し基本方針の今年度中の策定に向け、本年1月15日から2月14日までの期間において、基本方針素案に対するパブリックコメントを実施し、現在、庁内で最終調整を行っております。
一方、コミュニティ施設以外の公共施設に係る維持管理部門の集約化とファシリティーマネジメント推進については、ファシリティーマネジメントの推進をする上で、施設等に係る各種情報を全庁横断的に一元化し、データベースとして整備することが必要不可欠でありますことから、これまで他都市における先進事例調査を行うとともに、データベース整備の手法や整理すべき項目について検討してきたところであります。
このような中、本年1月下旬、国から所有施設等の現状や施設全体の管理に関する基本的な方針等を定める公共施設等総合管理計画の策定に当たっての指針案の概況についてが、県を通じて本市に通知があったところであります。その主な内容は、今後正式に地方公共団体に対し、公共施設等総合管理計画の策定を要請するとともに、計画策定に当たっての指針を示す予定としており、正式な指針が示されるまでの間は、当該指針案の概要を参考にされたいというものであります。
また、当該指針案の概要によりますと、本計画に記載すべき事項については、1つに、老朽化の事業や利用状況を初めとした公共施設等の状況などについて、客観的に把握分析をした所有施設等の現状。2つに、計画期間、全庁的な取り組み体制の構築及び情報共有方策、現状や課題に関する基本認識などを含み、施設全体の管理に関する基本的な方針。3つに、施設類型ごとの基本方針を盛り込むことを基本としているところであります。なお、計画策定に当たっては、平成25年11月29日にインフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議で決定された、国民の安全・安心を確保し、インフラの中長期的な維持管理、更新等に係るトータルコストの縮減などの方向性を示すインフラ長寿命化基本計画を参考にしつつ、整合性を図りながら策定をすることにより、1つの計画を策定することで足りるものであることも明記されているところであります。
本市においても、本通知の内容を踏まえ、本市のファシリティーマネジメントについての基本的な考えを定める基本方針については、今後、国が策定要請をする公共施設等総合管理計画の位置づけとなるよう、国が示す策定に当たっての指針に従って策定する必要があるものと認識いたしております。
また、今後のファシリティーマネジメント推進に係る工程については、先月公表しました青森市行財政改革プラン2011実施項目工程表において、平成25年度末までに基本方針の策定を行うこととしたところであり、平成26年度は、基本方針策定に当たって必要不可欠である所有施設等の現状把握を行うなど、具体的な作業に着手していきたいと考えております。
私からの答弁は以上であります。
128 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
〔健康福祉部長赤垣敏子君登壇〕
129 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) 福祉行政についてのお尋ねにお答えいたします。
地域包括ケアシステムにつきましては、ただいま渡部議員からも御紹介がございましたが、現在国において検討が進められている介護保険制度改革の中で掲げられているもので、団塊の世代が75歳となる2025年をめどに、重度な要介護状態となっても住みなれた地域において自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供できる地域包括ケアシステムの構築を実現することとしているものであります。
この地域包括ケアシステムにおきましては、おおむね30分以内で必要なサービスが提供される日常生活圏域を単位として、医療や介護事業所による専門的なサービスのほか、町会や老人クラブ、NPOなどといった地域団体などが、地域の高齢者の方々の見守りや安否確認、買物、調理などの家事支援、外出支援や介護予防教室の開催など、多様な生活支援サービスを提供し、住みなれた自宅や高齢者向け住宅で安心して生活できるような社会づくりを目指しております。こうした地域包括ケアシステムの構築に当たりましては、保険者である市町村や都道府県が地域の自主性や主体性に基づき、地域特性に応じてつくり上げていく必要があるとされております。
このように、高齢者の方々の地域生活支援の充実が求められる状況にある中、市では、青森市高齢者福祉・介護保険事業計画第5期計画の中で、高齢者の方々が住みなれた地域で安心して暮らしていくことができるよう、さまざまな生活支援を行うこととしております。
まず、お尋ねの高齢者の見守りについてでありますが、地域全体で高齢者の方々の生活を支援するため、地域包括支援センターを市内に11カ所設置し、民生委員、町会長、薬局等から組織される高齢者介護相談協力員と連携しながら、支援が必要な高齢者の方の早期発見、早期対応に努めるなどの見守りを実施しております。また、ひとり暮らし高齢者等を対象とした高齢者安心確保事業や配食サービス事業などによる見守りを実施しているほか、こころの縁側づくり事業やほのぼのコミュニティ21推進事業により、高齢者の方々の生きがいづくりや孤独感解消、安否確認を行っているところでもあります。
こうした見守りでの取り組みにおきましては、民生委員や町会、ボランティアなど、まさに地域の力を生かした活動により実施しているところであり、今後も連携や協力関係を強化してまいりたいと考えております。
次に、高齢者の方々の買物支援につきましては、シルバー人材センターが行っております家事援助サービスの中で、高齢者宅の買物の代行を行っているほか、介護保険制度において、要支援、要介護の認定を受けた方に対する訪問介護サービスといたしまして、訪問介護員が買物を代行するサービスを実施しております。
認知症の方の財産管理などにつきましては、成年後見制度のほか、青森市社会福祉協議会で実施している日常生活自立支援事業を活用し、認知症の方の権利擁護に努めているところであります。具体的な取り組みといたしましては、チラシやホームページなどで成年後見制度などの周知に努めるとともに、身寄りのない方で成年後見制度の利用が必要と認められる場合には、成年後見開始の審判について市長が申し立てをするほか、制度活用時の費用助成についても拡充しながら、支援することとしております。また、高齢化の進展等に伴い、今後も成年後見制度の需要の増加が見込まれますことから、今年度から市民後見人や法人後見の育成、活用についても取り組んでおります。
市民後見人の育成におきましては、受講された34名の方全員が市民後見人として活動していただくこととなっており、今後フォローアップ研修や実際に活動いただく際の相談など、市民後見人として円滑に活動いただけるような環境の整備も行っていくこととしております。
今後の対策につきましては、これからの高齢化の進展を踏まえますと、医療や介護事業所などでのサービスの充実に加えて、地域の町会や老人クラブ、NPO、ボランティアなど共助の中核を担う主体の育成が重要となってくるものと考えているところであります。現在、介護保険制度改革の中で、介護予防給付の見直しに合わせて、NPOや民間企業、ボランティアなどの多様な主体が見守りや買物などの生活支援サービスを提供できるように制度改正が検討されているところでもあり、市では、こうした改正内容も踏まえ、平成26年度の青森市高齢者福祉・介護保険事業計画第6期計画の策定作業の中で、青森市健康福祉審議会、高齢者福祉専門分科会での議論を重ねながら、高齢者の方々が住みなれた地域で生活を継続するために必要な施策について検討してまいります。
130 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。経済部長。
〔経済部長佐々木淳一君登壇〕
131 ◯経済部長(佐々木淳一君) 渡部議員の財政についてのうち、経済部に関します2点の御質問について順次お答えいたします。
まず初めに、地域経済の現状認識についてお答えいたします。
日本銀行は、去る1月16日、全国9地域の景気の現状判断に回復の表現を盛り込んだ地域経済報告、いわゆるさくらレポートを発表したところであります。特に東北地方は、東日本大震災の復興需要に支えられ堅調な経済情勢が続いていることから、平成25年10月の判断に引き続き、回復しているとし、全国9地域では、東海地方と並び最も踏み込んだ表現とされたところであります。また、昨年12月16日には、日本銀行青森支店によりまして、12月の県内企業短期経済観測調査、いわゆる短観が発表され、全国の好況感が地方の中小企業へも普及しつつあるとされたところであります。あわせて、2月5日に発表された2013年12月から2014年1月の県内金融経済概況でも、県内の景気は緩やかに持ち直しているとし、今後の見通しについて、消費増税前の駆け込み需要が本格化し、年度内は消費面で好調な動きが続くだろうとしたところです。
このほか、2月24日に発表された青森労働局による県内の高校や大学を来春卒業する生徒と学生の1月末現在の就職内定状況では、高校生が86.5%となり19年ぶりの高い数字となったほか、大学生につきましても79.3%と好調を維持していること、また、1月31日に発表された青森労働局による県内の有効求人倍率につきましても、1963年の集計開始以来最高の0.69倍となったことなど、雇用環境も上向きになっております。
これらのことから、市といたしましては、現時点において市内の経済状況は回復もしくは持ち直しているものと認識しているものの、今後、4月1日から実施される消費税の増税により、個人消費の冷え込みが予想されることや、原材料費の高騰などが懸念されており、まだまだ楽観的な見方はできないものと考えております。
続きまして、2つ目の消費税増税による本市経済への影響についてお答えいたします。
昨年9月に、株式会社帝国データバンクが全国の2万2760社を対象に実施した消費税引き上げに対する企業の意識調査によりますと、有効回答企業数1万1114社のうち、消費税率引き上げで自社業績への悪影響を懸念する企業が55.3%になったものです。また、昨年12月29日に東奥日報社が発表した県内主要企業アンケートによりますと、消費税の増税が自社にとって大きな悪影響があるや、やや悪影響があると回答した企業が合わせて78.3%になったものです。特にこの消費増税の実施により懸念される主な内容として、消費が抑制され売り上げが落ち込むと回答した企業が62.9%、駆け込み需要の反動が大きいと予想されると回答した企業が30.0%などとなっております。
市といたしましても、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、本年4月以降は消費が一時的に落ち込み、本市経済へマイナスの影響があるものと考えておりますが、国におきましては、これを緩和するための経済対策として、総額5.4兆円の平成25年度補正予算を措置したところであり、市におきましても、これを受け、本市経済への影響を緩和するため、臨時福祉給付金及び子育て世帯臨時特例給付金の支給や、地域経済に配慮した社会資本の強靱化・老朽化対策として、後年度に予定されている事業の前倒しなどを予定しているところであります。
132 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。企画財政部長。
〔企画財政部長伊藤哲也君登壇〕
133 ◯企画財政部長(伊藤哲也君) 財政についての御質問のうち、残りの御質問につきまして順次御答弁申し上げます。
まず、少子・高齢化社会の財政運営の影響でございますが、現在の少子・高齢化及び人口減少社会において、社会保障関係費は増加する一方で、生産年齢人口の減少により、現行の税制度を前提とすれば税収は減少していくものと考えられます。現行の地方交付税制度では、社会保障関係費を初めとする標準的な行政サービスについては、税収が減少となっても財源保障される仕組みとなっておりますが、標準を超える行政サービス、すなわち社会保障関係費を含む市独自の事業につきましては、市税収入減少に伴い減少する交付税算定上の留保財源の範囲内での財政運営を強いられることとなり、ますます厳しい財政環境になると考えられます。さらに、平成27年度をもって合併特例による普通交付税に関する合併前の額の保障期間が終了し、その影響も見込まれることから、より一層の事務事業の見直しが必要になると考えられます。
次に、行政運営の仕組みについてでございますが、平成23年度から取り組んでいる行政評価から予算編成までを一体的に実施する新たな行政運営の仕組みにおきましては、予算編成前の施策評価において示された方向性と資源配分に基づき、事業担当部局において事業点検及び事業立案を行っているところでございます。
具体的には、まず、新総合計画の全77施策に対する市民ニーズや満足度を把握するための市民意識調査の結果を踏まえた各事業担当部局長による施策評価をもとに、新総合計画に掲げられたリーディングプロジェクトや市長マニフェスト項目の位置づけなどを踏まえ、施策の主たる担当部局長から市長へのプレゼンテーションを通じ、事業の選択と集中を念頭に置きながら施策の方向性や優先度を決定する施策優先度評価を行うとともに、この施策優先度評価結果や中期財政計画を踏まえた次年度の予算編成方針を定め、資源配分を行っております。
次に、施策優先度評価において示された施策の方向性及び資源配分に基づき、各事業担当部局長が各事務事業について施策への貢献度や費用対効果、さらには事業を終了した場合の市民生活への影響について事業点検を行った上で、選択と集中の考え方に基づき、事業担当部局みずからが、その権限と責任において既存事業の見直しや廃止、事業立案、改善などを行っているところでございます。
また、事業決定に当たっては、より市民に近い視点からの施策展開を図るため、管理部門が事業の取捨選択をするのではなく、資源配分の枠内での各部局からの事業立案、予算要求に対し、市長が各事業担当部局長からヒアリングを行った上で、最終的に事業の重要性や緊急性、さらには限られた財源の効果的、効率的な活用など総合的な観点から判断し、事業を決定しております。
このように新たな行政運営の仕組みに従い、限られた財源の中で量から質への転換を図り、できるだけ市民サービスの低下を招かないよう留意しながら、市民が求め、市勢発展に資する施策を厳選し、重点的かつ効率的な行政運営に取り組んでいるとともに、これらの過程で作成された施策優先度評価表及び事業点検表については、ホームページで市民の皆様に公表するなど、行政運営に関する市民への情報提供に努めているところでございます。今後も引き続き、本市を取り巻くさまざまな課題への対応に意を用いながら、新総合計画に掲げた将来都市像「水と緑と人が共生し 地域の絆で築く 市民主役の元気都市・あおもり」の実現に向け、着実に取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、公共施設の老朽化に関する投資的経費の確保の考え方でございます。
公共施設の老朽化等に関する予算対応といたしましては、部分的な補修、修繕を行うものと、大規模改修あるいは改築を行わなければならないものと二通りがございます。前者の補修、修繕につきましては、青森市中期財政計画において一定額を確保し、予算編成過程において、過去の修繕履歴や実績額、定期的な点検結果等を踏まえ、限られた財源の中で緊急度、優先度を見きわめながら予算計上しており、後者の大規模改修、改築については、予算編成に及ぼす影響が大きいことから、現在の行財政運営の仕組みにのっとり、施策優先度評価等を通じて予算編成前段階において、あらかじめ実施することを決定し、青森市中期財政計画に反映させることによりその財源を確保し、計画的に実施しているところでございます。
最後に、消費税引き上げによる増収分の充当状況でございますが、社会保障と税の一体改革として、消費税率引き上げによる増収分は、全て社会保障の充実、安定化に向けることとされており、具体的には、基礎年金国庫負担割合の2分の1への引き上げを恒久化するほか、消費税増収分を活用した社会保障の充実策として、子育て支援の充実に加え、病床の機能分化、連携や住宅医療の推進、国民健康保険等の低所得者保険料軽減措置の拡充や低所得者に配慮した高額医療費の見直し、難病等に係る公平かつ安定的な制度の確立など、医療、介護等の充実に取り組むこととされております。
この社会保障の充実、安定化に関する平成26年度の地方財政対策としては、地方消費税の引き上げによる増収分として4696億円、消費税の交付税法定率分の充実分として2334億円、合わせて約7000億円の財源確保がなされ、地方負担額としては、社会保障充実分として2713億円、社会保障4経費の公経済負担増分として778億円、合わせて約3500億円について地方財政措置を講じる内容となってございます。
本市で増収となる地方消費税交付金の平成26年度当初予算案における使途でございますが、まず、社会保障の充実分として、具体的には、保育士等処遇改善臨時特例事業などの保育緊急確保事業や、国民健康保険及び後期高齢者医療の低所得者に対する保険税、保険料軽減の対象者拡大などが該当し、社会保障の安定化分としては、障害者、高齢者、児童福祉などの社会福祉関連や介護保険、国民健康保険、後期高齢者医療の社会保険関係、感染予防対策、母子保健などの保健衛生関連経費となっており、本市の社会保障費の総額約481億1600万円のうち、市で増収となる平成26年度分の地方消費税交付金約5億1000万円が事業費の一般財源部分に充てられております。
なお、引き上げ分に係る地方消費税収の使途については、予算書や決算書の説明資料などにおいて明示をするよう国から通知がなされていることから、本市においては平成26年度当初予算案資料に掲載させていただいたところでございます。
以上でございます。
134 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
135 ◯14番(渡部伸広君) それぞれ御答弁ありがとうございました。順次再質問等をさせていただきます。
初めに、地域包括ケアシステムでございます。このシステムにつきまして、日本福祉大学の二木立は、介護保険や医療保険は、国はやるが、それだけでは足りない。見守りや生活支援などは地域の実情に合わせなければ立ち行かなくなった。また、広島県尾道市や千葉県柏市などの先進地域はあるが、それを他の自治体がまねようとしてもなかなか難しい。これが理想という形はない、地域に合ったやり方を探すしかないという話をされております。
そこで再度確認でございますけれども、市町村の果たす役割をもう一度お願いいたします。
136 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
137 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) 再度のお尋ねにお答えいたします。
地域包括ケアシステムを構築していく上での市町村の果たす役割ということで、このケアシステム、さまざまな課題があろうかと思います。その中で取り組んでいく上で、市の役割として考えていることは、まず医療、介護の連携、そして調整を行わなければならないということ。それから、生活支援を行うための基盤整備をしていかなければならないということ。それから、担い手となっていただける地域団体、ボランティア等との連携、そして育成に努めていかなければならないと、市の役割は多岐にわたっているものと考えております。
また、何よりも地域の中で一体的に提供するという仕組みであるということを考えますと、市としての役割の大きなものとして、コーディネーターとしての役割、システム全体を俯瞰的に進行管理していく役割が市に求められているのではないかと現在のところ考えております。
以上でございます。
138 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
139 ◯14番(渡部伸広君) ありがとうございました。早くから医療とか介護、保険の連携で成果を挙げてきた岩手県一関市にある国民健康保険藤沢病院の佐藤元美医師は、医療から介護までを1つのサービスとして提供できるような組織や団体が必要だ。地域医療や介護をどう進めるかを住民参加で地域ごとに運営し、話し合っていくことが重要である、そこに統率的な責任者がいないと、本当にお困りですねだけで終わってしまう。連携から統合へ、足りないサービスは自治体が保障していく、こうしていくことで地域包括ケアの最低限必要なところは確保していけるのではないか。医療や介護の不便なところや不満なところを改善してほしい点、要望を、サービス提供者と統率する責任者と住民とが、日常的に話し合える場所をつくらないと、地域包括ケアはうまく機能しないだろうと。また、世の中は急速に高齢化し、糖尿病や認知症などの病気であふれているが、従来の急性期型の医療には限界がある。その後、介護保険制度がつくられたが、医療と介護との間のつなぎ目が悪い。医療と介護を支え、生活を支える医療になっていなかった。私たちも、最初から医療と介護の連携の必要性がわかっていたわけではない。実際、この地域には自分たちの病院しかない、特別養護老人ホームも、老人保健施設も、自分たちのところしかない。だから、同じ施設の中で連絡を密にとり、切れ目のないサービスをするのは当たり前のことだ。実際運営してみると、施設や病院経営も円滑で、地域住民の満足度も高い。働く人の満足度が高いこともわかってきたというような話をされておりますので、本市におきましても、連携から統合、そして足りないサービスを保障していく青森市になっていただきますよう、これは要望したいと思います。
次に、経済、財政のほうですけれども、財政はこれから厳しくなりますよというお話だったと思いますけれども、そこで、市内の人口もだんだん減少していくという傾向にあっても、増収を図っていくという方法の1つとして、ふるさと納税というのがあると思うんです。青森市では、元気都市あおもり応援寄附制度という制度がありますけれども、これは寄附金額のうち2000円を超える分について、寄附した年から所得税が控除される制度です。確定申告をした方については控除される。総務省の発表だと、2008年は5万件だったものが、2012年には12万件、制度発足6年を迎えるわけですけれども、大変多くなってきているという現状があります。
本市では、ホームページを開くと、平成24年度の寄附者数は54の個人、団体で寄附金は2590万円。平成24年度に寄附金を活用して実施した事業は10事業で、これに充当した寄附金額は1015万7074円。平成25年度に実施を予定している事業は11事業で、227万2926円となっております。まだ、事業内容、実施時期が未定となっている寄附金が1347万円となっております。
聞き取りをした感じだと、これに寄附した方に何か特典があるんですかと聞いたら、感謝状だけですというお話だったんです。鳥取県米子市は、2013年度の納税額が初の2億円を突破したという話がございました。納付手続の簡素化に工夫をしたと。インターネットでクレジット決済をするようにした。市が運営する専用サイトの米子市ふるさと納税サイトで寄附金申し込みから払い込みまで可能になった。ネットショッピング感覚で非常に手続が簡素で寄附者のうち7割がクレジット決済を利用しているということなんですけれども、本市でも寄附金に関する工夫というものが必要ではないかと思いますが、見解をお願いします。
140 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。市民生活部長。
141 ◯市民生活部長(井上享君) ふるさと納税を活用した元気都市あおもり応援寄附制度についての再質問ですけれども、議員御紹介のとおり、平成24年度から始めまして、平成24年、平成25年と寄附者は50数名、2000万円を超える寄附を2年続けていただいております。PRの仕方を、基本的には県人会の方々にパンフレットを配布したりとか、広く市内においても、県外の方が訪れるような交通機関や各施設等に置いているといったPRの仕方で工夫しております。
ふるさと納税を活用した各都市の制度では、特産物を差し上げたり、今、議員、御紹介の納付方法の工夫をしているところは承知しております。当市としても、さまざまな寄附者の利便性については今後とも検討していきたいと考えております。
142 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
143 ◯14番(渡部伸広君) ぜひともお願いします。先ほどの米子市は、今、市民生活部長が紹介したとおり、特産品をお渡ししています。3000円以上の方については特産品を詰め合わせた米子市民体験パックというのを贈呈しているんですね。1万円以上の方については、この市民体験パックにプラス特産品を1品、3万円以上は2品を豊富な64種類の中から選択できるようになっているということで、一昨年に比べて3.6倍にふえているという担当者の話であります。
やはり寄附をしていただくということは、遠くにいるふるさと青森市が発展してほしいという気持ちがあるから寄附していただくんだと思うので、遠くにいる方に、ふるさとの味を届けるとかいったことは非常にうれしいんじゃないかと思うんです。金額もそうですけれども、それよりも、じゃ、もう一回寄附しようという気持ちになるんじゃないかと思うので、これはぜひお願いしたいのと、私は、ホームページに載っているよと言われたんだけれども、なかなかたどり着けなかったんです。非常にわかりづらいです。元気都市あおもり応援寄附制度に着くまで、ボタンを何回も何回も、しかも、トップページの行政情報というところから行って、情報公開、庁議の概要、だあっと幾つも幾つも経ないとここが出てこないんです。ふるさと納税で検索をすると、ふるさと納税をすると確定申告することで所得税が返りますよとかいう話しか出てこないんです。そうではなくて、トップページから行けるようにするとか、そこからも考えていただきたいと思います。これは要望といたします。
それから、ファシリティーマネジメントの関係でございますけれども、昨年12月にも私は質問いたしましたけれども、そのときの答弁として、市長公室長と市長からも御答弁いただきましたが、市庁舎整備については、ファシリティーマネジメントの面のみではなくて、耐震診断の結果から市民の安全・安心を確保するため、一刻も早く進めるべき優先事業であるというお話でございました。現在行っている提案は、診断の結果、危険な建物であるから安心・安全でない、だから緊急性が高いということで、一刻も早く進めたいという認識だということで、まず第一の理由としてはそういうことでよろしいですね。確認です。
144 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。市長公室長。
145 ◯市長公室長(工藤清泰君) 確かにファシリティーマネジメントの考え方に基づいて、その優先順位が高いということで市庁舎整備を優先しているということでございます。
146 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。鹿内市長。
147 ◯市長(鹿内博君) 答弁は市長公室長が申し上げたとおりですが、私からは訂正をさせていただきます。
先ほど壇上で、青森市行財政改革プラン2011の実施項目工程表において、平成25年度末までに基本方針を策定と申し上げましたが、正しくは、平成27年度末までに基本方針を策定ということでございますので、おわび申し上げ、訂正させていただきます。
148 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
149 ◯14番(渡部伸広君) 今の案でいっても、平成30年供用開始、5年先なんですよね。昨日も質問がありましたけれども、5年間、耐震上、安全・安心でない建物を庁舎として使い続けるということは、緊急性が高いというか、急がなければいけないという理由にしては矛盾していませんか。
150 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。総務部長。
151 ◯総務部長(嶋口幸造君) 再質問にお答えいたします。
昨日も里村議員に対してお答えしたところではございますが、耐震診断で大地震のときに倒壊する危険性が高いとか、もしくはあるというような診断が下された場合には、耐震改修、もしくは改修が不可能であれば建てかえということを検討しております。
そのことにつきましては、市役所庁舎だけでなくて、各市民センターとか学校とかについても同じような対応でございまして、例えば学校につきましても、耐震改修が必要だからといって、直ちにそこの校舎の使用をやめて、どこか別の場所に校舎を移してから建てかえるということではなくて、現地で建てかえながら一刻も早く、市全体の耐震、防災の力を高めていくことが必要だと思いますので、仮移転ということはしておりませんということを昨日も答弁いたしましたが、そういう考えで耐震改修、建てかえを進めております。
以上です。
152 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
153 ◯14番(渡部伸広君) ちょっとわかりにくいです。本当に危険であるなら、5年間本当にこのまま使うのかと自然にそう思うんです。その分についてはちょっと疑問でございます。
先般、4会派に対する市長からの回答でも、ファシリティーマネジメントについての質問に対して、市民政策部政策推進課が今度担当して、公共施設白書を含む基本方針を平成27年度末までにつくるというお話で、でも、市役所庁舎は耐震性の脆弱さ、災害応急・復旧・復興対策の重要性を踏まえ最優先に整備をするものだと、それが終わってからというものではないということで概要は書いてあったかと思うんですが、これで間違いないですね。
154 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。市長公室長。
155 ◯市長公室長(工藤清泰君) 今の御質問というのは、いわゆるファシリティーマネジメントを推進していれば、庁舎の建てかえとか、場所の選定とか、違ったスケジュールになるのではないかというような趣旨の御質問というふうに理解しましたのでお答えさせていただきます。(発言する者あり)違いますか。もう一度お願いいたします。申しわけございません。
156 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
157 ◯14番(渡部伸広君) 質問の趣旨としては、ファシリティーマネジメントをつくってから市庁舎整備をやったほうがいいんじゃないですかというお話について、こういう御答弁だったと思います。
158 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。市長公室長。
159 ◯市長公室長(工藤清泰君) ファシリティーマネジメントを優先するべきだというお考えだと思いました。
そうすると、先ほど議員も御指摘のとおり、市庁舎整備について耐震性の脆弱さや本庁舎の災害応急・復旧・復興対策の拠点としての重要性などを踏まえ、市として最優先に整備することとしているところでございます。これは公共施設白書などの作成などは市として検討すべきとは考えておりますが、それが終わってからでなければならないというものではないと考えております。ファシリティーマネジメントを推進する上での基本的な視点、すなわち先ほども申しましたが、施設整備の優先度、2つに、議会棟、第3庁舎、柳川庁舎を活用するといった既存ストックの有効活用、3つに、市にとって有利な財源である合併特例債の活用など財源負担の軽減、4つに、今後の人口減少の動向を踏まえ、2期に分けて整備するなどとした適切な施設規模。このような視点を持ちつつ総合的に検討したものであり、改めて考慮しても、本市の基本方針、基本計画はファシリティーマネジメントの観点においてもしっかり整理されていると認識しております。
160 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
161 ◯14番(渡部伸広君) わかりました。でも、私ども公明党会派とは認識が違います。ファシリティーマネジメントにつきましては、平成27年度までに、先ほども基本方針を策定するという話でありましたけれども、市庁舎も当然その中に含まれるものだと思っておりますので、市役所庁舎の整備に関する議論のスタートが今始まろうとしている、スタート地点だという認識でございます。先般行われました意見交換会も、意見公聴会も、原案の域を出ないという、かみ合わない認識のもとで、中にあっても、人口減少時代の青森市という町をどう機能するかという新しい発見もあったのではないかと思っております。そういった議論なくして、市役所庁舎の整備はあり得ないというのが私どもの考えでございますので、その辺は申し上げておきたいと思います。
あともう一点、関連して、合併特例債を使うとなっていますけれども、例えばこの市庁舎整備について、合併特例債を使う場合と使わない場合、比較するとどのようになるのか、企画財政部長、お願いします。
162 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。総務部長。
163 ◯総務部長(嶋口幸造君) 合併特例債を使う場合と使わなかった場合ということで、使う場合につきましては、平成26年試算時点の中期財政見通しにも記載しておりますとおり、庁舎整備事業に合併特例債27億8700万円を財源として見込んでいるところでございます。この合併特例債につきましては、議員御承知のとおり、事業費の95%に充てることができ、かつ、今年度における元利償還金の70%を国が普通交付税で措置するものでありまして、本市の財政上、非常に有利となるものであります。仮に合併特例債を充当しなかった場合には、庁舎整備事業には一般の単独事業債を活用することが見込まれますが、この一般単独事業債は充当率が事業費の75%で、今年度における普通交付税措置もない、市の純粋な借金となります。合併特例債を充当しなかった場合には、したがいまして、記載の充当率が95%から75%になることによりまして、庁舎整備事業実施期間中の平成28年度、平成29年度の想定ですが、一般財源負担が約5億8600万円ふえることとなります。また、合併特例債の元金部分だけを捉えても、今年度における普通交付税措置約19億5000万円を受けることができなくなるものであります。
以上です。
164 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
165 ◯14番(渡部伸広君) ありがとうございます。合併特例債は大変有利な起債であるということで、仮に市庁舎に使わなかったとしても、ほかの事業に有利だから使うということになりますか。
166 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。企画財政部長。
167 ◯企画財政部長(伊藤哲也君) 合併特例債の基本的な部分になってくるかと思いますが、そもそも新市町村建設計画は、現在平成27年度までということになっております。したがいまして、現行の新市町村の建設計画で考えれば、その期間内で使えるものでないと使えない。当然ですが、新市町村建設計画の位置づけがあるものということになりますので、なかなかそれだけの大規模な投資ということになると、現在平成26年度を迎えようとしておりますので、現実の話としてなかなか見つかりにくいのかなとは思っております。
168 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
169 ◯14番(渡部伸広君) でも、今延ばそうとしていらっしゃいますよね。
170 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。企画財政部長。
171 ◯企画財政部長(伊藤哲也君) 現在、県知事協議まで終えましたので、あとは議会に議案としていつ提案するかということになろうかと思いますが、いずれにいたしましても、今回の2年間延長の基本的な考え方は、庁舎の基本計画に基づいた事業を実施するために延ばすというところにございます。ほかの事業につきましては、平成27年度までに完了するということを基本的な思想で持っておりますので、したがいまして、浪岡地区の現在の事業につきましても、平成27年度完成を目指してそれぞれの事業を展開しているところでございます。
172 ◯議長(丸野達夫君) 14番渡部伸広議員。
173 ◯14番(渡部伸広君) わかりました。ただ、施策としては変更をかければできるということであれば、防災関連に資するものというのは結構あると思うんです。学校とかいろいろな施策があると思うので、それはやりようなんだろうと思います。何に使うかということは、いろんなものを変更しなければいけないかもしれませんけれども、不可能ではないという考え方でよろしいですか。
174 ◯議長(丸野達夫君) 次に、11番村川みどり議員。
〔議員村川みどり君登壇〕(拍手)
175 ◯11番(村川みどり君) 日本共産党の村川みどりです。通告の順に質問します。
初めに、福祉行政について質問します。
70代の母親と30代の娘が社会から孤立し、精神疾患を発症していると思われる状況の中、冷蔵庫には魚肉ソーセージのみ、ストーブはほこりまみれで灯油も入っておらず、親子は毛布にくるまって小刻みに震えながら固まって発見されました。同行した医師の問いかけに小さくうなずき、緊急入院となりました。1日でもおくれれば凍死していたかもしれない事態だったと包括支援センター所長が話されていました。
この出来事は、2月10日のことです。この親子は生活保護を受給しており、5年前にも保健所などがかかわったものの、本人の同意が得られないことから解決に至っていない困難を抱えたケースでした。昨年11月ごろから精神疾患の症状が悪化し、問題行動を繰り返すようになり、同じアパートに住む住民から苦情や転居を求める嘆願書が出されるなど、対応に困った大家さんが地域の包括支援センターに相談に行ったことで事態が大きく動き、医療保護入院という形をとって入院させることができました。なぜもっと早く治療に結びつけることができなかったのでしょうか。
本人の同意が得られないことを理由に命が脅かされるような事態を黙って見守っているだけでいいのでしょうか。今回のことをきっかけにして、いま1度行政が果たすべき役割について考える必要があるという思いから質問させていただきます。
被保護者で受診させることが困難な事実があったが、どのような背景があったのか、今後類似の事案に対してどのようにかかわっていくのかお伺いします。
次に、介護保険について2点質問します。
政府は、2月12日、医療・介護一括改革法案を閣議決定し、国会に提出しました。正式名称は、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案という、非常に長ったらしい名称がついています。病床再編など医療費削減のための医療改革と、介護保険の改悪を1つの法案で改正してしまおうという一括法案方式です。要支援者のヘルパー、デイサービスの廃止と市町村事業化、特養ホームからの要介護1、2の締め出し、さらには利用料の2割化など大幅な負担増、一方、事業所にとっては大幅な報酬減が予測されるなど、介護保険制度始まって以来の大改悪法案です。
介護保険制度開始から14年過ぎた今でも、介護殺人、介護心中、高齢者虐待、孤立死はふえ続けています。さらに、介護サービスから切り離されることになると、ますます孤立し、閉じこもり状態になる高齢者がふえるのではないでしょうか。介護サービスを奪うことは生活を奪うことを意味し、命をも奪いかねません。現場の実態を無視した制度改悪は、高齢者には生活と命の危機を、介護事業者には経営の危機をもたらすだけです。高齢者をないがしろにした制度から、長生きをともに喜び合える制度にしていくことが求められています。
そこでまず1点目は、今国会に提出された医療・介護一括改革法案には、新たに第124条の2で、市町村の特別会計への繰り入れ等が追加されました。国が初めてこの条文を入れたことの意味は何でしょうか。いよいよ国も一般会計繰り入れを認めざるを得ない状況に介護保険は来ていると認識しているのではないでしょうか。市の認識を示してください。
介護保険の2点目は、要支援1、2のサービス利用者の実態調査を行う考えはないかお尋ねいたします。デイサービスは、ひとり暮らしのお年寄りの生きがいにもなっています。ひとりぼっちだと、話すこともなければ笑うこともない、みんなでおしゃべりしたり、御飯を食べたりすることが楽しい、デイサービスに行けなくなったら笑うこともなくなるという利用者さんもいます。あるいは、ヘルパーさんが来てくれるのが待ち遠しい、心の支えである、もう少し頑張ってみようと背中を押してくれる、サービスを奪うことは死ねと言われているのと同じという方もいます。どういう生活実態の方がどのようなサービスを利用し、生活を維持されているのか、そのサービスにかわり得る事業をやれるのか、まずは実態把握に努めることが重要だと思います。
最後に、子ども・子育て支援新制度について3点質問します。
2月10日、仙台で行われた子ども・子育て支援新制度の全国地方議員セミナーに行ってきました。講師を務めた広島大学名誉教授の田村和之氏は、長年にわたって法学の研究教育に携わってきたけれども、この新制度はどの法律よりも複雑、難解で、仕組みを正確に理解することが困難な法制度だと強調していたことがとても印象に残りました。これまでは、幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省の管轄だったものが、今度は間に内閣府が挟まり、学校教育法と児童福祉法とともに内閣府が管轄の子ども・子育て支援法と改正認定こども園法がぶら下がる構造になっています。お金は内閣府が握っているので、全体を握っているのは内閣府と言ってもいいのではないかと思っています。
今後は、市町村事業計画を策定し、保育の必要性の認定基準、地域型保育事業の認可基準、地域子ども子育て支援事業の基準、学童保育の基準、保育料の保護者負担額を条例で定めなくてはなりません。非常に厳しいスケジュールの中、今後の子どもの成長にかかわる重要な基準を保障しなければならないという重責が待ち受けています。子ども・子育て支援法に基づく基本指針案にあるように、子どもの視点に立ち、子どもの生存と発達が保障されるように、良質かつ適切な内容及び水準のものとすること、子どもの最善の利益が実現されることを第一に、よりよいものにしていくことを一緒に考えていきたいと思います。
それではまず1点目は、新制度における保育の必要性の要件については、どのように考えているのか。その際、新制度が始まる前から保育所に入所している児童については継続して入所できるようにすべきではないか。
2点目は、地域型保育事業の中に位置づけられている小規模保育事業は、A型は従事者が全て保育士の資格を有するもの、B型が資格保有者は50%、C型が市町村の研修を受けた者でも可となっています。小規模保育事業所はA型を基本とすべきと考えるが市の見解を示してください。
3点目は、今後策定する事業計画には、児童福祉法第24条第1項を明記すべきと思いますが、市の認識を示してください。
質問は以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手)
176 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。鹿内市長。
〔市長鹿内博君登壇〕
177 ◯市長(鹿内博君) 村川議員の介護保険についての2点の御質問にお答えいたします。
まず、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案に関する御質問にお答えいたします。
平成25年12月5日に国会で成立した持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律、いわゆるプログラム法に基づく措置として、効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することを通じ、地域のおける医療及び介護の総合的な確保を推進するため、医療法、介護保険法等の関係法律において所要の整備等を行う目的で、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案が2月12日に閣議決定され、国会へ提出されているところであります。
この法律案の中で、介護保険法第124条の2として、市町村の特別会計への繰り入れなどの条項が新設され、今後の高齢化の進展に伴う保険料水準の上昇と消費税率の引き上げに伴う低所得者対策強化を踏まえ、例えば第1、2段階の住民税非課税者については、基準額の5割軽減とされている現行の保険料額について、さらに引き下げを行い7割軽減とした上で、その引き下げた分について現行の給付費の公費負担50%、保険料負担50%に加えて、別枠での公費投入を定めた条項となっています。
現在の市における低所得者への保険料の軽減については、第1号被保険者の負担能力に応じたきめ細やかな保険料とすることを目的に、国で示した標準の段階である6段階の介護保険料を11段階に設定するとともに、恒常的に低収入であり生計維持が困難であると認められた方に対して、保険料の減免を実施しているところであります。こうした中、国が別枠での公費投入による拡充策を打ち出したことについては、これまで低所得者への負担軽減分に関しては、第1号被保険者に負担を求めることとなっておりましたが、別枠での公費負担となるため、低所得者への配慮と第1号被保険者全体の負担軽減が図られるものと考えております。
次に、要支援1、2のサービス利用実態調査についての御質問にお答えいたします。
国では、地域包括ケアシステムの構築に向け、地域支援事業の見直しを図るとともに、介護サービスの効率化、重点化の観点から、予防給付の見直しも打ち出しております。具体的に要支援1、2の方への訪問介護、通所介護について、市町村が地域の実情に応じ、住民主体の取り組みを含めた多様な主体による柔軟な取り組みにより効果的かつ効率的にサービス提供ができるよう、平成29年度末までには全て地域支援事業へ移行することとしております。
お尋ねの要支援の方のサービス利用実態調査については、予防給付の地域支援事業への円滑な移行のために、利用者の実態を把握することは必要と考えております。このことから、平成27年度からの青森市高齢者福祉・介護保険事業計画第6期計画の検討の中で、介護給付実績等のデータの活用も含めて、今後実態把握の方法について検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上であります。
178 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
〔健康福祉部長赤垣敏子君登壇〕
179 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) 福祉行政についての御質問及び子ども・子育て支援新制度に関する3点の御質問に順次お答えいたします。
初めに、福祉行政についての御質問にお答えいたします。
お尋ねの被保護世帯の世帯主につきましては、その言動などから精神疾患の疑いが強く感じられるようになってきたことから、担当ケースワーカーによる世帯への定期的な訪問調査や御本人の来所の機会を活用しながら、随時医療機関への受診を勧奨してまいりましたほか、平成22年7月には、地域住民から世帯主らの奇異な行動について苦情を受けた担当ケースワーカーが、当市保健所の精神保健福祉士に相談した結果、同行訪問することとなり、同様の呼びかけをするなど、御本人の意思に基づく受診を促してきたところであります。しかしながら、御本人は病識がないばかりか一貫して強固に受診を拒否してきたものであります。
このような中、平成25年1月からは、定期的な来所が途絶えるようになり、4月2日の世帯訪問時には、担当ケースワーカーの呼びかけに応答せず、動こうともしない状況でありましたことから、御本人に対して改めて受診を促し、担当ケースワーカーが付き添って医療機関へ向かうことも見据え、事前に医療機関と連絡調整の上、4月4日に世帯を訪問いたしましたところ、御本人はふだんと変わらない状況でありましたほか、依然として医療機関への受診を強く拒否いたしましたことから受診に至らなかったものであります。その後は、訪問調査の頻度をそれまでの2カ月に1回以上から毎月1回以上にふやすなど、世帯の生活状況等に変化がないかどうか注意深く見守ってまいりましたが、11月下旬から、本人が居住地付近で奇異な行動をしているとの情報が寄せられるようになったところであります。そこで、12月5日には市職員が御本人や御家族の同意がないまま医療機関へ連れ出すことの是非について、地域を管轄する交番へ相談したものの、犯罪行為に当たる可能性があるため容認できないとの見解でありました。また、御本人には精神疾患の疑いがあるとの観点から、12月13日には医療機関へ受診させるための手法等について市保健所の精神保健福祉士とのケース検討会議を行いましたが、御本人の同意が得られず、同意を得ることが期待できる御親族等もない現状では、早急な対応は困難であるとの見解に至りましたことから、12月中旬以降は訪問調査の頻度を週1回以上にふやし、さらなる見守りの強化を図ったところであります。
その後、本年1月30日には、地域住民から相談を受けたとして、地域包括支援センターから、この世帯の処遇について高齢介護保険課へ相談があったことを契機といたしまして、2月4日には生活福祉課、市保健所、高齢介護保険課及び地域包括支援センターによる打ち合わせを行い、2月10日には、本市関係課職員の立ち会いのもと、地域包括支援センターなどの関係機関が中心となって医療機関への受診がなされ、入院に至ったところであります。
今後は、被保護者に限らず、障害のある方や高齢者の方などとのかかわりの中で、生活上の課題が確認され、みずから解決できず、御親族等による支援も期待できないような事案である場合は、まずは関係各課が一堂に会してのケース検討会議を行い、共通認識のもと、役割分担をも含め可能な対応策を検討するとともに、地域包括支援センターを初めとした地域におけるさまざまな社会資源ともこれまで以上に連携を図るなど、より適切な対応に意を用いてまいります。
次に、子ども・子育て支援新制度についての御質問にお答えいたします。
初めに、保育の必要性の要件についてのお尋ねにお答えいたします。
子ども・子育て支援法では、保護者の申請を受けた市町村が、国の定める基準に基づき保育の必要性を認定する仕組みとなっております。国が定める保育の必要性の認定に係る事由の基準につきまして、現行では、保護者本人の事由に加えて、同居の親族が子どもを保育することができないと認められる場合に、保育を実施することとなっておりますが、新制度では、保護者本人の事由に判断することを基本とするとされたものであります。また、保護者本人の事由につきましても、就労、妊娠出産、保護者の就労、障害、同居親族の介護、災害復旧のほか、新たに求職活動、就学、虐待やDVのおそれがあること、育児休業取得時に既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であることについても、国の基準に明記することとされたものであります。
新たに追加等された基準につきましては、これまでも本市において運用上認めていたものであります。これらが国において基準として明確に位置づけられますことから、新制度の施行前から保育所に入所している子どもが新制度の施行によって退所することはないものと認識しております。
次に、小規模保育事業についてのお尋ねにお答えいたします。
新制度では、教育、保育施設に対して施設型給付等を支給することに加え、小規模保育等の地域型保育事業に対して地域型保育給付を支給することとし、多様な施設や事業の中から利用者が選択できる仕組みとなっております。小規模保育は、認可定員を6人以上19人以下とし、多様なスペースを活用して質の確保された保育を提供する事業であり、保育所分園に近い類型のA型、家庭的保育に近い類型のC型、その中間的な類型のB型の3類型があります。これら各類型の保育従事者の基準では、A型は全員が保育士、B型は2分の1以上が保育士、C型は全員が家庭的保育者とする方針が示されております。
小規模保育事業につきましては、まずはニーズ調査の結果や子ども・子育て会議でその必要性について検討することとなります。また、小規模保育事業の認可基準は、厚生労働省令を踏まえ、市町村が条例を制定することとなりますが、条例につきましては、児童福祉に係る有識者で構成する青森市健康福祉審議会児童福祉専門分科会の意見を聞きながら制定してまいりたいと考えております。
次に、事業計画に児童福祉法第24条第1項を明記すべきとのお尋ねにお答えいたします。
子ども・子育て関連3法のうち、関係法律整備法による改正後の児童福祉法第24条第1項では、市町村は、児童福祉及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保育を必要とする子どもに対し、保育所において保育しなければならないと規定されておりますことから、その考え方を踏まえた事業計画にしてまいりたいと考えております。
先ほど、保育の必要性に関する御答弁の中で、保護者の就労、障害と申し上げましたが、正しくは、保護者の疾病、障害でございますので、謹んでおわびし、訂正させていただきます。
以上でございます。
180 ◯議長(丸野達夫君) 11番村川みどり議員。
181 ◯11番(村川みどり君) それでは再質問します。
まず、福祉行政についてですけれども、こういう困難を抱えた事案、症例というのは、少なくない数で市内地域に潜在的に存在しているものだと思っています。もう1個の違う包括支援センターにもお尋ねしたら、やはりこういうケースを抱えているというお話をされていました。たまたま今回のケースは生活保護を受給していたので、ケースワーカーがキーパーソンの役割を果たすことになっていたわけなんですけれども、問題の第1は、やはりなぜここまで対応がおくれたのかということです。1日遅ければ凍死していたかもしれないという事態だったわけです。この方は約30年近く生活保護を受けている方なんですけれども、今まで多くのケースワーカーがかかわってきました。健康福祉部長も一連の流れを言ったんですけれども、説明するために、私も繰り返し一連の経過を述べながら質問していきたいと思います。
その中で、5年前に警察や保健所、そして大家さんが訪問して問題解決を図ろうとしたけれども、本人が受診を拒否して解決に至らなかったという経緯があります。健康福祉部長は繰り返し受診を勧めたと言っているんですけれども、ただ病院に行かないと言っていることが受診を勧めることなのかといったら、果たしてそうなのかと思います。本人の同意が得られないということで、そこで終わらせないで、この親子をどうしたら治療に結びつけることができたのかということを、もっと早くからケースワーカー、そして精神保健福祉士が連携して、継続してかかわっていく必要があったのではないかと思っています。5年前がそれ1回です。
そして、ことし4月から新たにケースワーカーがかわって、4月に受診を勧めたけれども、やっぱりそこでも拒否されたということでした。市役所にも来てもらえないから、ケースワーカーは鍵のかからないところから戸をあけて、本人にお金だけを渡していたというような状況がずっと繰り返されてきました。健康福祉部長も言ったように、昨年の11月ごろから症状が悪化してきています。12月13日に、精神保健福祉士とケースワーカーとで検討会が開かれたりしたんですけれども、やっぱりそこでも本人の同意が得られないということを理由に解決できなかったという事態になっています。大家さんは、もうどうしようもなくて、大変困って交番に行ったそうです。そうしたら、地域の包括支援センターに行ってみたらどうかと交番の所長が言ってくれたので、そこで初めて、地域包括支援センターに行きました。そして、さっきも壇上で言ったように、そのことで事態が大きく動いたという流れになっています。
平成26年1月30日も奇異な行動だったんですけれども、御近所の風除室に忍び込んで隠れていたんですけれども、やっぱり警察に通報されるというような事態がありました。そのお母さんのほうは拘置所で1日過ごして、次の日、ケースワーカーが引き取りに行って、身内引受人になって家まで送ろうとしたら、車の中で暴れて、また警察のお世話になったというようなこともありました。こういう一連の流れになっているんです。
ここで一番大事にしなくてはいけないことは何かといえば、健康福祉部長も言ったように、病識がなかなか得られない患者さんですけれども、その本人が一番苦しんでいるんだということを大事にして、どう寄り添っていくか、どう援助していくか、何ができるかということを大事にしていかなければいけないんじゃないかと思っています。いろんな症状の人がいるし、例えばいろんな音が聞こえてきたり、ほかの人が見えないものが見えたりするけれども、でも、それは本人がそのことで一番苦しんでいるんだということを基本にして対応しなければいけないと思っています。
本人の同意が得られないから何もしなくていいのでしょうか。本人が同意できるような状況ではなくて、判断ができないという状況だったんです。私は、まず粘り強く治療に結びつけることを最優先にすべきだったのではないかと思っています。
繰り返しになるかもしれないんですけれども、なぜ連携がおくれたのかということです。12月の検討会議の際には、生活福祉課と精神保健福祉士でのケース会議だったんだけれども、同じ健康福祉部内だけで、高齢介護保険課にも連絡していないし、障害者支援課は精神保健福祉士がいるので入っているのかもしれないけれども、その連携がなぜここまで、ことし1月30日にやっと高齢介護保険課に連絡が行ったわけですけれども、なぜここまで連携がおくれたのか、その要因は何なのか、どのように認識していますか。
182 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
183 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) 再度のお尋ねにお答えします。
健康福祉部内の連携がどうしておくれたのかということについてのお尋ねかと思っております。先ほども答弁させていただきましたように、精神疾患の疑いのある方、これは人権問題が絡みます。また、法律もありますので、本人の同意を得て受診させなければならない、また御家族の同意を得て受診させなければならないということもありますので、粘り強く受診勧奨に努めてきたところでございます。しかしながら、やはり私どもの思いとして、精神疾患の疑いのある方というそこに目が行きまして、この方をトータルで見ていなかったということが、最初からケース検討会議に高齢介護保険課を加えるということをしなかったことにつきましては、精神疾患の疑いがある方で、一日も早く受診につなげたい、そこに重きを置いたことによるものと、今ある意味では、このことをいい勉強にさせていただいて、次に生かしていきたいと思っております。
以上でございます。
184 ◯議長(丸野達夫君) 11番村川みどり議員。
185 ◯11番(村川みどり君) 今回は質問していなかったんですけれども、前までずっと質問してきた介護認定のおくれのときも指摘してきたんですけれども、それでもさまざまな問題があったけれども、その認定のおくれの一番の問題は、やっぱり高齢介護保険課と広域事務組合の審査会の連携がとれていないことが一番の問題だったわけですよね。今回の事案も、同じ健康福祉部でありながら各課の連携がとれていないということがここまで事態をおくらせた要因ではないだろうかと思っています。高齢介護保険課にこういう住民がいるよという情報が行くと、自動的に地域の包括支援センターに協力の依頼が入ってくることになっているんだそうです。大家さんが包括支援センターに相談に行って、所長に相談したわけなんですけれども、そこの所長さんも、何でもっと早く情報をくれなかったのか、もっと早く情報をくれていれば、ここまで深刻な事態にはならなかったし、医療に結びつけることだって可能だったかもしれないと話しています。
先ほど健康福祉部長も言ったように、精神疾患ということだけを捉えて連携がおくれたということもあるし、多分一生懸命やろうと思って、自分たちで何とか解決しようと思ったことが空回りしたのかなとも思っています。今後、こういう連携のあり方については改善していっていただきたいと思っています。
2月10日の地域包括支援センターの職員が、自分たちのドクターに依頼してこういう患者さんがいるのでぜひ見てほしいということで采配を振るって、医者と保健師、さまざま市の方にも連絡して、いざ入院させるのでみんな集まってくださいというふうにして医療保護入院という形をとってやっと入院させることができました。2月10日、気象庁のデータによると、2月4日からは最高気温がずっとマイナスで、平均もずっとマイナスの気温です。マイナス3.6度、マイナス6度、マイナス5.6度というような状況、2月4日から9日まではずっとマイナスの状態です。1年間の間でも最も寒さの厳しい時期でした。その中で親子2人は、布団は敷かれていなかったんですが、じゅうたんの上に1枚毛布を羽織ってぶるぶる震えながらくるまっていたそうです。
さっき壇上でも言ったんですけれども、ストーブの上はほこりまみれで使っている形跡がない状態。冷蔵庫には魚肉ソーセージが4本。そして隣の部屋、多分ケースワーカーは、窓からお金を渡しているだけなので部屋の中は見ていないと思うんですけれども、隣の部屋はごみだらけで、ごみが埋まっています。そういう衛生的にも非常に問題があった方です。
当日医師の問いかけに対しては、娘さんのほうはまぶたのけいれんもあったし、体の硬直もあって、抵抗する余力もなかった状況でした。最悪の事態は免れたので、この場でこうして振り返ることはできるわけですけれども、改めて地域包括支援センターの果たす役割は大きいなと感じています。
先ほど健康福祉部長は、本人の同意が得られないからそのままにしていったというような答弁でしたけれども、精神保健福祉法第33条に医療保護入院という制度が明記してあります。この親子の場合は保護者がいないので市長が保護者になりました。(発言する者あり)そうなんです。その手続をとって医療保護入院という形にしたんですけれども、入院を必要とする精神障害者で、自傷他害のおそれがない。自傷、いわゆる自分を傷つけたり、他人に害を与えたりするおそれのない人だけれども、任意入院を行う状態にない人を対象に、本人の同意がなくても入院させることができるという制度が医療保護入院です。この制度を活用すれば、もう少し早く治療につなげられたのではないかと悔やんでいます。
医療保護入院についてちょっと調べたんですけれども、精神科病院に入院している約4割の方が医療保護入院です。35%の方が1年未満の入院、30%が1年から5年の入院、35%が5年以上の入院になっています。最近では、統合失調症の中で医療保護入院が4割です。特徴的なのは、認知症の人で医療保護入院する人が6割にふえているというのが傾向だそうです。こうしたことから考えれば、認知症の方が440万人、460万人と言われる中で、今後、本人の適切な判断応力がなくなってしまって、こういう医療保護入院がもっとふえてくるのではないかと思っています。
医療保護入院という制度を使ったんですけれども、本市は、先ほども言ったように、本人の同意が得られないということでストップしてしまっています。もしかしたら凍死していたかもしれない事案です。命以上に本人の同意が必要なんでしょうか、大事なんでしょうか。本人の同意が得られないことを理由に凍死することを容認していいのでしょうか。治療や入院に同意しないということは、凍死することも容認してのことなんでしょうか。そのことをよく考えて、同意が得られないということで終わらせないことが必要ではないかと思うんですけれども、その辺はどのように考えているでしょうか。
186 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
187 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) お答えいたします。
精神保健のこの制度の中で、ただいま村川議員から御紹介がありました医療保護入院は、本人が治療の必要性がわからない状態で、医師が入院の必要を認めたとしても、家族の同意があること、これを医療保護入院と言います。この医療保護入院の定義はこうでございます。今回のケースは、本人が治療の必要性がわからない、だけれども、医師が入院の必要があると認めた、だから病院に入院させることができた。しかしながら、同意がないから青森市長が同意するという形の一連の手続で医療保護入院に至ったということでございます。
当然、命より重いものは何もないわけでございますが、もう一方では、やはり精神障害、または疑いのある方の対応につきましては、法律を遵守しながら、精神障害者の命とどうだと言われるとどうですが、人権ということも、かつてこのことで強制的に連れていったということで大きな社会問題になったY事件という事件がございます。そういうこともありまして、人権というところと命というところと、非常に厳しい瀬戸際のところで判断していかなければならないものと思っております。
繰り返しになりなりますが、今回の事案を、手前ども大きな経験といたしまして、この後の対応をしっかり健康福祉部内で連携をとり、やらせていただきたいと思っております。
以上でございます。
188 ◯議長(丸野達夫君) 11番村川みどり議員。
189 ◯11番(村川みどり君) でも、やはり命より大事なものはありません。生活保護法や精神福祉法、児童福祉法よりも上位の憲法第25条で生存権が保障されています。本人の同意が得られなくても、死の危険が迫っているのであれば憲法第25条の立場に立って命を救っていくということが大事なのではないかと思っています。このケースを契機に、もう一度点検のあり方、そして援助の仕方などを考え直してほしいと思っています。
今回かかわったケースワーカーを個人的に批判するわけではないんですけれども、社会福祉主事、私たちはケースワーカーと呼んでいますけれども、福祉6法に基づいて行政機関で保護援助を必要とするために相談、指導、援助の業務を行う人と位置づけられているんですが、そのケースワーカーの仕事として就労支援だったりさまざまあるんですけれども、その1つに自立支援という役割もあります。被保護者が自立するために支援をする役割を持っています。ただ、お金を渡しに行くことが仕事ではありません。社会から孤立して灯油を買えない状況を把握していたでしょうか。お風呂はどうやって入っていたんだろうかとか、買物に行って御飯を食べているんだろうかとか、そういうことが自立支援に当たるのではないかと思うんですが、ケースワーカーの仕事としての自立支援のあり方も、やはりもう一度考えていただきたいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
190 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
191 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) 再度のお尋ねにお答えいたします。
村川議員、御指摘のとおり、生活保護のケースワーカーは、それぞれお一人お一人違う状況の中の自立を支援していく、これが仕事でございます。そのために生活保護のケースワーカー、日々その業務を果たしているわけですが、今回のケースにつきましても、本来であれば、お金を持っていくという行為は望ましいわけではないわけです。それをその方にために、業務と言えば業務ですが、本来であれば銀行振り込み、来てもらう、どちらかの手法となっているわけですが、生活保護費を毎月持っていっていた、そして様子を見ていた、玄関から入れないので後ろから入って見ていた。生活状況は把握していて、本当にごみが散乱している状態を大家さんと一緒に片づけたり、そんなこともしていました。ただ、一番ケースワーカーが本人と接触できる者ではあったものの、ケースワーカーが行っても、奇声を上げたり、ときにはケースワーカーに対して暴力的行為とまではいかないんですけれども、そういうことがあったり、その中でのケースワーカーも仕事をしてきているということは御理解いただきたいと思います。
ただ、ケースワーカーは、それぞれの御家庭の自立を支援するのか仕事でございますので、これについてはいま1度、福祉事務所の中でケースワーカーとともに話し合って、その方法を確認してまいりたいと考えております。
192 ◯議長(丸野達夫君) 11番村川みどり議員。
193 ◯11番(村川みどり君) 大変週1回訪問してくださったりとか、確認していただいたりということは本当に評価しているんですけれども、福祉の視点が小さかったかなと思いますし、健康福祉部全体として連携のあり方、繰り返しになりますけれども、ぜひ考えていただきたいと思います。
介護保険についてですけれども、初めて今回一般会計の繰り入れということが明記されました。今回の介護保険の見直しは4大改悪プラス1と言われていて、これまで言ったように、要支援外しやら、要介護3以上の特養入所要件やらあって、その中のプラス1というのが今言った第124条2の第1項、市町村の特別会計への繰り入れ等が明文化されたことは、1つだけ評価できる点です。市長も先ほど説明していただいたように、第1、2の段階の5割軽減は7割軽減、3段階については2.5割軽減から3割軽減、5割軽減していくというもので、条文を見てわかるとおり、これは国民健康保険法の第72条の3、特別会計への繰り入れの部分とほぼ同じものになっています。厚生労働省も、健康福祉部長も、今まで法的根拠のない3原則にしがみついてきましたけれども、この新しい法案が示しているように、一般会計から繰り入れして、低所得者への軽減をやらなくてはいけないという状況に来ていることを国自身が認識した証拠ではないかと思うんですが、健康福祉部長はどのように認識しているでしょうか。
194 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
195 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) このたびの国の介護保険料の軽減について、国が一般財源として入れることを認めたことについてどう思っているかというお尋ねにお答えいたします。
先ほど市長のほうからも御答弁申し上げましたとおり、今回は国の言い方は、別枠ですという言い方をしています。消費税収は全て社会保障の充実に充てる。このことをもって、これまでの50%、50%という介護保険のシステムではなく、別枠でこれを充てるという表現をしております。今現在の国の説明は、そういう説明がされております。別枠という説明をされていることから考えますと、これまで国が定めた負担割合を変えるものではないものというふうに理解しております。
以上です。
196 ◯議長(丸野達夫君) 11番村川みどり議員。
197 ◯11番(村川みどり君) 私は、一般会計から入れないと、とても介護保険財政はもたないということからこういうふうにしたのではないかと思っているんです。健康福祉部長は、9月議会に、この3原則は制度の基本的な枠組みだと認識していると言ったんですけれども、国が一般会計に入れてもいいよと言っても、市は3原則にしがみついてやりませんよということになるんでしょうか。
198 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
199 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) 再度のお尋ねにお答えいたします。
今現在、国の説明で読める分では、国は介護の本来の50%、50%のシステムは変わらないんだ、消費税によって低所得者への負担を軽減するために、別枠で充てるというふうな言い方をしております。そのことを考えると、介護保険そのもののシステムは、負担割合は維持するというふうに読み取れるものと思っておりますので、今現在のところは、3原則は守っていかなければならないものと思っております。これから6期に向けて介護保険料段階も含め、低所得者の軽減も含め、計画策定の中で高齢者福祉専門分科会の皆様ともそこのところは御議論させていただきながら、市としての考え方を決めてまいりたいと考えております。
以上です。
200 ◯議長(丸野達夫君) 11番村川みどり議員。
201 ◯11番(村川みどり君) 私は、国が一般会計の繰り入れを制度化しようとしているのですから、やはり法的根拠のない3原則にしがみつくのはやめたほうがいいと思っているところです。
次に、要支援1、2の実態調査についてですけれども、詳細に実態把握の方法を検討していくというような答弁でした。実際にこういうケースに当てはめて考えていきたいと思うんですけれども、これは実際に介護サービスを使っている人の一例です。80歳のひとり暮らしで、要支援1、週1回のデイサービスと週2回の訪問介護を受けています。これで、要支援だと介護サービスの限度額いっぱいいっぱいなんです。でも、この方はペースメーカーが入っているので障害者サービスも利用しています。さらに、通院の介助は介護サービスを使えないのでコープの助け合い事業で1回1時間500円という民間のサービスを使って、それでやっと自立した生活を営んでいます。
さて、この方の要支援のデイサービス、そして週2回の訪問介護が介護給付から外された場合、現段階で想定し得る多種多様なサービスへの移行、具体的にどのようなことを想定しているのか。
202 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
203 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) お答えいたします。
その方がどのようなサービスに変わるのかというお尋ねでございますが、国の今現在の通知を見てみますと、既に専門的なサービスを必要とする方については既存の介護事業者等も活用して専門的なサービスを提供する、既にサービスを受けている方は、事業移行後も市町村のケアマネジメントに基づき、既存サービス相当のサービスを利用することが可能とするということになっておりますので、ただいま村川議員が御紹介したケースが、専門的なサービスを必要とする方なのであれば、引き続きその介護事業所を活用してサービスを受けられる。また、現在サービスを受けている方は、事業移行後も市町村がケアマネジメントをすることになりますが、移行できるということでございますので、そういう意味では、サービスが極端に変わるということはないものと思っております。
以上です。
204 ◯議長(丸野達夫君) 11番村川みどり議員。
205 ◯11番(村川みどり君) 仮にそうだとしても、今1割負担なんですけれども、1割以上に設定することはできても、1割以下にすることはできないとなっていますし、さらに事業所に入る報酬も、現在と同じことをやっていても、現在の単価よりも低くやらなくてはいけないと言われています。今までと同じサービスを行うとすれば、たちまち減収になってしまうと思うんですけれども、これでもやはり現行のサービス水準を維持することができると考えるのか、切り下げしないということを約束できるのかお伺いいたします。
206 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
207 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) 再度のお尋ねにお答えいたします。
国では、要支援の方の新たなサービスに移行するに当たっての国の詳細なガイドラインを示す予定となっております。今現在、そのガイドラインが示されていない状況ですので、介護報酬、事業所に入っているものがどうなるのか、それから、料金は今御負担いただいているものは上げない、下げない、同レベルという一定の方針は出ていましたけれども、いずれにしても、国からまだ詳細なガイドラインが示されておりませんので、この場で言及することはできない状況にございます。
208 ◯議長(丸野達夫君) 11番村川みどり議員。
209 ◯11番(村川みどり君) そんな悠長なことは言っていられないと私は思います。今使っていた人はそのまま使えると言うんですけれども、例えば今、ヘルパーさんを使って訪問介護を受けている人を、ボランティアにしようなどということを考えているのではないかと思うんですけれども、ヘルパーさんがやっていたことをボランティアの方がそのままやれると認識しているのかお伺いします。
210 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
211 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) お答えいたします。
今、ヘルパーさんがやっていることがボランティアでやれると認識しているのかということでございますが、それぞれ個々にボランティアさんがやっていることは異なるものと思っております。したがって、先ほどの繰り返しになりますが、専門的なサービスを必要とする方に対しては、既存の介護事業所等を活用して、専門的なサービスを提供するという仕組みであるということを考えますと、今のヘルパーさんが行っているところが専門的なサービスを必要とするものであれば、それは引き続きできるということになります。
以上です。
212 ◯議長(丸野達夫君) 11番村川みどり議員。
213 ◯11番(村川みどり君) 安易なボランティアの移行は絶対やめていただきたいと思います。
それで、現在でも大変な業務量なのに、今後市町村で訪問介護と通所介護の新たな事業をつくって移行させなければならないんですけれども、私はとても不可能なんじゃないかと思っています。中央社会保障推進協議会が各市町村にアンケートをとったんですけれども、要支援1に利用者が受ける訪問介護、通所介護を市町村事業に移行する政府の方針について、可能か不可能かというアンケートをとったら、不可能と答えたのが3割、可能というのが16.1%、判断不可が39.4%でした。その中では、町単独では困難とか、財政的、人員的理由から難しい、NPO、ボランティアの受け皿が確保できないなど、こういうこととか、訪問介護と通所介護だけ移行することは理解しがたいとか、そういう声が上がっています。私も不可能だと思っているんですけれども、今後、ある程度実態調査をして、全体が見えてきたときに、やっぱりできませんと、私は今の段階で国に言うべきだと思っているんですけれども、どうでしょうか。
214 ◯議長(丸野達夫君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
215 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) お答えいたします。
先ほど市長から御答弁させていただきましたように、まずは今サービスを受けている方の実態調査をさせていただき、その実態をまず捉え、その中で、国のほうでは平成29年3月という期限もございます。その中で、利用者さんの実態を見て、そして、今青森市という地域にあるさまざまな地域の力、社会資源を活用して取り込めるものは取り込んだ形でサービス、ある意味ではサービスの充実、選択肢の幅がふえる、今受けている方は受けられていくという、市役所がその中でケアマネジメントをしっかりしながらやっていくという状況でございますので、まずその環境を見てみないと、現段階ではそれに対して、できるできないということは言う段階ではないものと思っています。それに向かって取り組んでいかなければならないものと思っております。
以上でございます。
216 ◯議長(丸野達夫君) 11番村川みどり議員。
217 ◯11番(村川みどり君) 私は、高齢者を待ち受けているのは、介護給付の削減と耐えがたい負担増しかないと思っています。お金がある人はお金を出して買えるかもしれないけれども、ない人は我慢しなければなりません。長生きしたお年寄りを苦しめるこういう介護保険制度改悪には、自治体としてきっぱり反対し、国に物申すことが必要だと思っています。それが市民のための市政にもつながると思っています。
時間がないので、子育て支援については、予算特別委員会でやりたいと思います。よろしくお願いします。
──────────────────────────
218 ◯議長(丸野達夫君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
明日は午前10時会議を開きます。
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散 会
219 ◯議長(丸野達夫君) 本日はこれにて散会いたします。
午後5時25分散会
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